第4話

始まりは図書室から
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2020/04/29 09:45
《図書室》
相川蘭
相川蘭
失礼しまーす






シーン……




相川蘭
相川蘭
誰もいない…か


 





探してた本は、棚の一番上。











私の背じゃ届かない…。











椅子を台にして本を取ろうとした。







相川蘭
相川蘭
あと、もうちょっと…





なんとか本を取ることができ









降りようとした瞬間。








ガタッ








バランスを崩し、私の体は後ろへと傾いた。




相川蘭
相川蘭
あぁー!!!!




落ちるっ!









そう思い、ぎゅっと目を瞑った。








バサッ









誰かが私を支えた。









目を開けると、そこには佐藤大翔がいた。









私が大嫌いな、あの佐藤大翔が…。









佐藤大翔
佐藤大翔
大丈夫?




私はビックリして固まっていた。






支えられているまま、私たちは見つめあっていた。







彼に「大丈夫?」と聞かれ







( ゚д゚)ハッ!となった。








相川蘭
相川蘭
ゴメンッ!!






驚きのあまり、私は彼を突き飛ばした。





佐藤大翔
佐藤大翔
痛っ!!
相川蘭
相川蘭
あっ!ゴメン!!
相川蘭
相川蘭
その…。
今のはわざとじゃなくて…。
佐藤大翔
佐藤大翔
分かった分かった!
相川蘭
相川蘭
ホントにごめんなさい。
佐藤大翔
佐藤大翔
そんなに謝らないでよ
相川蘭
相川蘭
でもっ!
手から血出てるし…
佐藤大翔
佐藤大翔
あぁ~。
こんなの大したことないよ。
相川蘭
相川蘭
あっ!
これ絆創膏!!
佐藤大翔
佐藤大翔
ありがとう
相川蘭ちゃん!
相川蘭
相川蘭
えっ?
何で、私の名前知ってるんですか?
佐藤大翔
佐藤大翔
知らないわけないじゃん。
佐藤大翔
佐藤大翔
入学式の日から
忘れたことなんか一回もない。
相川蘭
相川蘭
入学式の日から…?








彼は静かに下を向き









しばらく黙ってから










ボソッと、何かを呟いた。







佐藤大翔
佐藤大翔
好きだ。
相川蘭
相川蘭
えっ?
今なんて?
佐藤大翔
佐藤大翔
相川蘭ちゃん
相川蘭
相川蘭
はい?
佐藤大翔
佐藤大翔
俺と付き合ってくれませんか?










高校2年生の夏。











私は学校で一番嫌いな











佐藤大翔に告白されました。










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