創真が品を持ってきた
幸平「ゆきひら裏メニューその20[改]、鰆おにぎり茶漬けだ」
鮭て作る品を鰆でアレンジしたのか
幸平「本当は鮭で作る品なんだけど本日は鰆バージョンにアレンジしてみたんだ、みんなの分も作ったから一緒におあがりよ」
榊「わぁ、ありがとう。そそいでいるのはなぁに?」
幸平「塩昆布茶だよ。やさしい塩気とコクが食事のシメにピッタリだからね」
吉野「もう〜!こんなの出されたらお腹減るに決まってんじゃん」
伊武崎「そうだな」
あなたの下の名前『小腹がすいた』
一色「(しかし、これではあまりにも普通のお茶漬け、いかにも大衆食堂で出される品をといったところだが…さて)」
吉野「じゃあ、さっそくいただきまーす!」
伊武崎・榊「「いただきます」」
あなたの下の名前『いただきます』
みんなで創真が作ったお茶漬けを食べた
あっ…美味しい
一色「う〜ん、美味い!」
吉野「鰆の身がすっごくジューシーで何より皮のこのザクザク感!噛むたびに旨みがわき出てくる」
皮ザクザクさせるためにはあれしかない
榊「ただ炙っただけじゃこの噛みごたえは出ないわ。一体どうやって?」
一色・あなたの下の名前「『ポワレだ/ポワレだよ』」
吉野・榊「「んっ?」」
一色「この鰆、ポワレで焼き上げられている」
幸平・榊・吉野「「「ポ・ワ・レ?」」」
吉野「って何であんたもおどろいてるのよ!」
幸平「いやぁ、ポワレって何だろうと思って」
吉野「はぁ?」
創真ってポワレも知らないんだ
一色「ポワレっていうのはフランス料理における素材の焼き方」
あなたの下の名前『ソテーの一種だよ』
一色「素材の上からオリーブオイルなどをかけて均一に焼き色をつける方法だね」
ポワレ知らないのに何でこの焼き方知ってるんだろ?
一色「教えてくれるかな創真くん。なぜ君フランス料理の手法を知っているんだい?」
幸平「いやぁこの焼き方はウチの親父に習ったんですよ。魚をバリツと仕上げるにはもっとこいだってね」
お父さんがフランス料理をやってるのかなぁ?
幸平「ご飯と一緒にザクザク食うのもいいし昆布茶に浸して少ししんなりさせるとまた違う食感が楽しめるんだ」
一色「ほう…君のお父さんはフランス料理の修行を?」
幸平「いやぁ、それが俺にもよく分かんなくって。あっ、でもいろいろな国に料理してたみたいだけど」
一色「なるほど…まさか、おにぎりの具をフレンチの技で作るなんて(国境やジャンルにとらわれないなんて自由な料理だろう)」
慧、なんか楽しそう
一色「(そしてポワレは皮の厚みのある素材に向いている。鮭そして鰆はまさにピッタリの魚。創真くんはそれを瞬時に見極めメニューのアレンジを組み立てた。純白に輝くお米はさならが雪のよう…その中から力強く現れる鰆はまさに春の生命力そのもの!彼は春の始まるその間一瞬をこの品で表現したんだ)」
何か慧イキイキしてるなぁ
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。