夏恋がしばらくして、帰ってしまった。
私はその時、まだ知らなかった。
私も同じ〇〇になるということを…
それは、数日経ったある日。
夏恋からメールが来ていた。
その内容は…
私、やっぱり産むことにした。
理沙のおかげで決断出来た。
ありがとう。
理沙が言ってくれなかったら、私心細かったし、寂しかった。
あそこで理沙が言ってくれたこと一生忘れない。
ほんとにほんとにありがとう。
私はそのメールを呼んで1人で泣いていた。
その時、帰ってきた壱馬が驚いた様子で私が夏恋のメールを見せたら良かったなって一言。
翌日になって、私は何故か体調が悪かった。
そういえば、生理来てないし病院に行こうか悩んだ。
でも、壱馬が私の体調を気にして病院に付き添ってくれた。
最初は内科に行ったんだけど、何故か産婦人科にまわされて、私は壱馬と一緒に産婦人科に向かった。
まぁ、生理は元々不順だったからそんな気にしなかったんだけど、4ヶ月も来ないのはさすがにまずいと思って、来てみた。
順番は直ぐに来て、さすがに壱馬は中に入れられないと思って、しばらく待たしてもらっている。
私1人だけ入ると、生理が来ないこと体調が悪いことを先生に言って傍のベッドに横になった。
お腹を見せられ、なにか冷たいものがお腹に当たる。
すると、先生がとんでもないことを言い出した。
と、自分でも驚いた。
私が母親!?
嘘でしょ!?
と、先生が話してる間ずっと頭の中が真っ白だった。
先生から母子手帳を貰ったけど、
まだ実感無い…
それよりも壱馬は父親!?
そりゃあそうだろうね…
壱馬しか相手は居ないんだから…
どうしよう…
喜んでくれるかな?
私は診察を終えて壱馬の元へ…
壱馬は私の腕を引っ張って病院から出た。
私はずっとその間考えた。
やっぱり怒ってる?
なんかすごく焦ってるし、困ってるみたい…
どうしたらいいの?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!