川崎 side
『 … あれ?今日あなたは?』
堀江「 あなた?なんか体育館で
掃除してたよー 。来れないって言ってたよね 」
太田「 うん 、なんか明智と
2人っきりで怪しかった〜!!!!」
『 ……… そっか 、』
堀江「 … もー!元気出して?あなたと
結衣が喧嘩してたらなんか怖いよ?笑 」
『 … 別に喧嘩じゃないんだけどね 、笑 』
あなたが練習に来なかった 。
意外とブツブツ言いながら
毎日朝練にもしっかり出てるあなたが
来ないというのは珍しかった 。
… まあ私には関係ないけど 。
そして今日もただ見てるだけの特訓が終わった 。
みんな練習してるんだから 。私もやらなくちゃ 。
そう思ってまたいつもの練習場所に行くと
壁に誰かが寄りかかってた 。
『 … あなた?え?あなた?!』
野翠「 んんっ … ス-ッ 」
『 … 寝てる 、、、』
少し寝息を立てて寝ているあなた 。
こんなところで寝たら風邪引くのに … 。
よっぽど家入りづらいのかな 。
ふと 、あなたが握ってるノートに目が入った 。
レッスンノート…?ペラペラとめくってみると
ここは伸ばす!だとか 、ここは3拍止まる!
だとか 、すごく詳しく細かく書かれてた 。
「 それ 、お前のために書いてたんだよ 」
『 えっ?』
東条「 よっ 」
『 … 』
後ろから声がして振り向くと東条がいた 。
そして東条はあなたの隣にしゃがんだ 。
東条「 ずっとさ 、授業中とか熱心にノート
取ってるの見て 、いやそれはあり得ないだろ
って思ってチラ見したらずっとそれ書いてて 。
… また川崎と一緒に踊りてぇんじゃねーの?」
『 … っんなの 、私だって踊りたいし … 。
ってか!ほんとにお節介すぎない?』
東条「 お節介でも嫌いになれねーんだろ?」
『 … 』
図星だ 。あなたがいくらお節介でも 、
いくらうざったくても 、全部好きだから 。
どうしても憎めない奴なんだ 。
『 … ここで練習してること 、
みんなに言わないでね 、』
東条「 うん 、言わない 。
ってかあなたは知ってるけどね 」
『 え?!知ってたの?!』
東条「 ここ俺らのベランダから丸見え 笑 」
『 まじかー 、、、笑 』
なんだか少し 、楽になれた気がした 。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!