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荷物をまとめて家を出る 。
… あ 、鍵 、どうしよう 。
ドアのポストにでも入れておくか 。気づけ 。
そして 、とぼとぼと夕焼けに暮れた町を歩く 。
分かんない 、これからどこに行くんだろう 。
私を必要としてくれてる人が
いるのかも分かんない 。
この世に生きてる意味すら分かんない 。
泣きたい 。もう嫌だ 。とか思ってた時 … 。
「 あなたっ 、あなた!!!!!」
『!あけっ 、、、正義 、、!』
東条「 っ 、はぁ 、ごめんっ 、
明智じゃなくて 、ごめん 、」
『 っ 、、、ふぅっ 、泣 』
肩で息をしながら私を抱きしめてくる正義 。
そのぬくもりが暖かくて 。我慢出来なくて 。
抑えてた涙が溢れてしまった 。
東条「 っ ……… ごめん 、」
『 違うっ 、、違うのっ 、泣 』
東条「 … 大丈夫 。全部分かってるから 。
お母さんにも話してあるから 、帰ろう?」
『 っんで 、、、なんで 、
そんなに優しくしてくれんのっ 、泣 』
東条「 ……… 諦められないから 」
『 … ズズッ 、泣 』
東条「 あなたもまだ諦めてないでしょ?笑
それとおんなじだよ 。… 少しずつでいいから
前向こう?俺の事も少しは考えろよっ 、笑 」
そう言って私の荷物と手を取って歩いていく正義 。
ごめんっ 、気持ちに応えられなくてごめん 。
正義の背中を見つめながらそう想った 。
空はどんよりと薄暗く 、憂鬱な雲ばかりだった 。
まるで 、私の心の中のように 。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。