第107話

ひゃくろく
8,225
2019/06/06 12:14



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荷物をまとめて家を出る 。


… あ 、鍵 、どうしよう 。


ドアのポストにでも入れておくか 。気づけ 。


そして 、とぼとぼと夕焼けに暮れた町を歩く 。


分かんない 、これからどこに行くんだろう 。


私を必要としてくれてる人が


いるのかも分かんない 。


この世に生きてる意味すら分かんない 。


泣きたい 。もう嫌だ 。とか思ってた時 … 。

























































































「 あなたっ 、あなた!!!!!」



『!あけっ 、、、正義 、、!』



東条「 っ 、はぁ 、ごめんっ 、
明智じゃなくて 、ごめん 、」



『 っ 、、、ふぅっ 、泣 』














































































































肩で息をしながら私を抱きしめてくる正義 。


そのぬくもりが暖かくて 。我慢出来なくて 。


抑えてた涙が溢れてしまった 。

















































































東条「 っ ……… ごめん 、」



『 違うっ 、、違うのっ 、泣 』



東条「 … 大丈夫 。全部分かってるから 。
お母さんにも話してあるから 、帰ろう?」



『 っんで 、、、なんで 、
そんなに優しくしてくれんのっ 、泣 』



東条「 ……… 諦められないから 」



『 … ズズッ 、泣 』



東条「 あなたもまだ諦めてないでしょ?笑
それとおんなじだよ 。… 少しずつでいいから
前向こう?俺の事も少しは考えろよっ 、笑 」


































































































そう言って私の荷物と手を取って歩いていく正義 。


ごめんっ 、気持ちに応えられなくてごめん 。


正義の背中を見つめながらそう想った 。


空はどんよりと薄暗く 、憂鬱な雲ばかりだった 。


まるで 、私の心の中のように 。











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