美麗がカバンから手紙を取り出した。
俺は、とにかく手紙を受けとった。
美麗はお風呂へ行った。
リビングには俺1人。
俺宛に手紙って…なんか変に緊張して
手汗が半端じゃない…
俺は、シールを外して
手紙を出した。
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突然の手紙ですが、不作法をお許しください。
僕はあなたにたった一言を言いたくて手紙を書きました。
そのたった一言とは「美麗と一緒に幸せになって下さい」
という事です。
僕と美麗は、お互いに話し合いが足りずに
すれ違いが起きて、喧嘩の日々が続いてしまい、それだけではありませんが、僕の弱さが美麗を何度も苦しめ
悲しい想いをさせてしまう結果になり別れてしまいました。彼女にはもう、そんな想いはして欲しくありません。
僕が彼女を幸せにできなかった分、彼女とめいいっぱい幸せになって下さい。
どうかよろしくお願いします。
そして、手紙を読んでいただきありがとうございました。
佐伯雪彦
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俺は手紙をゆっくりと閉じた。
俺は、佐伯さんの気持ちを絶対に忘れちゃいけない。
そう思った。
これから先もきっといろいろあると思う。
だけど、美麗を好きな気持ちは変わらない。
美麗…俺を好きになってくれてありがとう
俺を信じて…付き合ってくれてありがとう
そばに居てくれてありがとう
俺の横で笑っててくれてありがとう
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。