なんて、強がりな台詞言ってるけど…
さっきから時間の進みがめちゃくちゃ遅く感じる…
やっぱり行かさないほうがよかったか…
いやいや!!美麗の事信じてないんか?!
このバカたれが!!!
と、自分同士で葛藤してると
ピーンポーン
インターホンが鳴り響いた。
俺は急いで鍵を開けてドアを開けた。
そこには優しい笑みの美麗がいた。
俺は、言葉よりも先に
美麗の腕を引いた。
ドアが閉まり、玄関で美麗を抱きしめた。
俺の元に帰って来てくれた…
俺はホットしたのと同時に
目から涙が出そうだった。
声を出したら泣いてる事がバレるから
「おかえり」の代わりにギュッと強く抱きしめた。
美麗もギュッと抱きしめ返してくれた。
まるで子供のような言い方になってしまった。
すると、美麗のクスクス声が聞こえたの同時に
離されて顔を見られてしまった。
美麗はカバンからハンカチを出して
濡れてない綿で俺の涙を優しく拭いてくれた。
美麗の笑顔が俺に言ってくれた。
それにまた涙が溢れてしまった。
美麗が困ったように笑った。
すると後ろから
俺は急いで目を擦って
涙を拭いた。
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はるくんの拗ねたような声が後ろからしたと思えば
わたしを後ろから抱きしめた。
松村さんがわたしに手を振ってきたから
わたしもふり返した。
2人は帰ったけど
はるくんは、相変わらずわたしに抱きしめたまま。
わたしはクルリと回って
正面から抱きしめたら
はるくんも抱きしめ返してくれた。
でも、はるくんを泣かせちゃったのは
胸が痛い。
ほんとにごめんね?
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。