第14話

2,024
2020/08/09 22:52
鳴弥は心を鬼にした。
これ以上、弟たちを鬼殺隊に関わらせない為に。
そのためには、実弥や玄弥をもう隊士として働けないような体にすることもいとわない。
つまり、俺は実弥と玄弥を襲う。もう危険な目に合わせないように。
幸せに、生きて貰えるように。







❃❃❃
帰り道、実弥と玄弥は2人きりで歩いていた。
実弥「くそっ、兄貴は一体どこに…。」
玄弥「ま、まさかほんとに鬼に…!」
実弥「んなわけねェだろォ!!兄貴に限って、そんなこと…!」
ふと、実弥が前を向いて固まる。
それにつられるように、玄弥も前に視線を移す。
前には1人の男性。それも2人が探し求めていたあの、男。
玄弥「っ!!な、鳴弥兄ちゃん!!!」
嬉しそうに掛けていこうとする玄弥を、実弥は片手で制した。
実弥「玄弥ァ、刀を構えろ、銃をもて、」
玄弥「…え、何言ってんの?」
玄弥は、実弥の見つめる鳴弥をよく観察した。
よくみると、鳴弥には鋭く尖った八重歯や、頭から角が生えていた。
それが意味すること、つまり。
────  不死川 鳴弥は鬼になった

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