第179話

最初で最後の契約を、君と。
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2026/05/14 20:55 更新
しばらく泣いたあと、ようやく落ち着いたのか目元をゴシゴシの拭って多く一息を着いた。
天猫
…昔ね
天猫
身寄りもなくて、生きていくのすらままならない僕を養ってくれる人がいたんだ。僕のことを大好きだって、愛してるって、腐るほど言ってくれた
天猫
でもね、その人も所詮僕の顔にしか興味無いんだ
でも僕には好きが足りなかったから、大好きだったその人にだって奉仕をして、家で味わってきた屈辱だって喜んで受けた。
結局無意味だったけどね
静かな声からでる囀りは到底聞き心地の良いものではなかった。俺はこいつの何も知らない。
でも、こいつが悲しんできたのだけはわかった。

満月を見つめる美しい瞳にはこの世界がどれだけ醜く写っているのか、俺には分からない
でも、だとしても
死神
俺がそいつと同じだって言いたいのか?
天猫
分からないよ、でも…好きは信じない。
“好き”彼にとって最上級の呪いの言葉
天猫にとって死神がどんなに美しい存在に見えているのかは分からないが、死神だって人並みに好きという感情を持っている。
天猫の思う存在とは違う
死神
俺は、好きって感情を人並に持ってる
それに…発情だってそれなりにするよ
天猫
…ふふっ、そんなのとは無縁だと…思ってたな。
長いまつ毛と重なって目の光がよく見えなくなっていた

死神はベランダの柵にもたれ掛かる天猫の横顔に触れて、こちらに向かせた
死神
でも、それでも好きだ
死神
どんなに嫌いでも、どんなに呪いの言葉だとしても

お前が好きだよ
天猫
…受け入れないよ
君だけは
先生が好き、1度だけ

何度も受け入れてきた言葉
でも、君だけは ────────────
死神
じゃあ
死神
俺が受け入れられるまで誰も受け入れるな
飛んできたのは予想外の言葉だった
子供らしく癇癪を起こす訳でもなく、ムスッとした表情でただそれだけをいう
天猫
どうして?
長いまつ毛がこちらを向いた
その視線が瞬く星のように輝いて見える。天使、まさに天使だった

一瞬反応に遅れつつもすぐに呼吸をする
死神
…好きってのはな
死神
体目当てだーとか、顔が目当てだーとかじゃなくて
死神
独占したくて言うもんなんだよ
独占言い換えれば嫉妬
天猫は目を大きく見開いていた。あの天邪鬼で一匹狼な不良が嫉妬をしてしまうからと素直に吐いている
こんなに面白い場面、他にあるだろうか?
天猫
っふふ、ふ…あははっ!!
思わず天猫は腹を抱えて吹き出してしまった
死神
はあ!!?笑うなよ!!人が一生懸命考えた言葉を!!
耳を真っ赤にしながらようやく声を荒らげて天猫に抗議する様子を見てまた一段と声のトーンをあげた
天猫
っ、いいよ
天猫
君が本当に僕のことが好きで好きでたまらないバカだって証明してよ
天猫
それまで誰も受け入れないし、今後君だけを受け入れようと努力するって誓う
左手を彼に差し出して契約をしようとでもいいたげにする
死神は「はぁ」と大きくため息を着いたあとニコッと口角を上げて彼の手を取る
死神
上等だ。
To Be Continued

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