しばらく泣いたあと、ようやく落ち着いたのか目元をゴシゴシの拭って多く一息を着いた。
静かな声からでる囀りは到底聞き心地の良いものではなかった。俺はこいつの何も知らない。
でも、こいつが悲しんできたのだけはわかった。
満月を見つめる美しい瞳にはこの世界がどれだけ醜く写っているのか、俺には分からない
でも、だとしても
“好き”彼にとって最上級の呪いの言葉
天猫にとって死神がどんなに美しい存在に見えているのかは分からないが、死神だって人並みに好きという感情を持っている。
天猫の思う存在とは違う
長いまつ毛と重なって目の光がよく見えなくなっていた
死神はベランダの柵にもたれ掛かる天猫の横顔に触れて、こちらに向かせた
先生が好き、1度だけ
何度も受け入れてきた言葉
でも、君だけは ────────────
飛んできたのは予想外の言葉だった
子供らしく癇癪を起こす訳でもなく、ムスッとした表情でただそれだけをいう
長いまつ毛がこちらを向いた
その視線が瞬く星のように輝いて見える。天使、まさに天使だった
一瞬反応に遅れつつもすぐに呼吸をする
独占言い換えれば嫉妬
天猫は目を大きく見開いていた。あの天邪鬼で一匹狼な不良が嫉妬をしてしまうからと素直に吐いている
こんなに面白い場面、他にあるだろうか?
思わず天猫は腹を抱えて吹き出してしまった
耳を真っ赤にしながらようやく声を荒らげて天猫に抗議する様子を見てまた一段と声のトーンをあげた
左手を彼に差し出して契約をしようとでもいいたげにする
死神は「はぁ」と大きくため息を着いたあとニコッと口角を上げて彼の手を取る
To Be Continued











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!