先生の一言から、生徒達が口々に予想を始めていた
全く話を聞かない生徒達に、先生は少々憤りを見せていた
この一言で、一同は静まり返った
それは言葉がキツかったというのもあるが、先生の雰囲気がそれを物語っていたからである
ドアが開き、1人の生徒が入って来た
入って来たのは、高校生にしては少し低めの身長の少女だった
白髪があらゆる光に反射し、まるで自ら光っているようにも錯覚できた
(※ガッポイ=学校ぽい の略)
転校生の訪れに、生徒達は驚きと共に歓喜した
尚、それは転校生が来ることを知っていた耳郎を除いてだ
軽く返事をすると、転校生は視線を生徒たちに向けた
生徒達が琴花のあいさつに困惑している中、琴花は1人空席へと歩みを進め、ついには着席した
こうして、ヒーロー科1年A組に琴花というまた新たな個性的な仲間が加わった
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...........面倒くさい
頼むから話しかけてこないで
耳元でわちゃわちゃしないで
....うるさ
このクラスは確かに楽しそうだし、真面目な一面もあるし、私のことをどうにか攻略してくれるだろうとは思っている
でも...
うるさい
頭がパンクしそう..私は聖徳太子じゃない..
なんだ、中にはまともな人間もいるんだ
まぁ、いてくれなければ困る
いないと学級崩壊は愚か、
私はすぐに雄英を辞めてるよ
その時、ふと思い出した
緑谷くん
彼は私と同じ中学出身だ
ついでに言うと爆豪くんも
でも..緑谷くんは無個性だと爆豪くんが言ってた
なんでここにいるのか、少し気になった
しかし、事情というのは誰にでもあるもの
あの時彼は私について触れないでいてくれたから、その代わりと言ってはなんだけど、私も彼に触れないでおくことにする
さて、私はこのクラスで高校生活を謳歌することになったのだけれど、正直1つ大きな不安がある
高校あるあるだと言われている、馴染めるかとか、友達ができるか、とか、そんな感じじゃないけど..
なんと言うか.....
生徒一人一人が厄災を抱えていると言うか...
とにかく、このクラスにいる限り退屈はしないと思うでも、
多分すごく面倒だと思う
具体的には分からないけれど、この様子だと色んな厄災に巻き込まれそうな気がする
でも、私はただ平然を装うだけだ
地味に過ごして、目もつけられないようにして、ただ、平穏な日々を送るだけ
私の物語は、ここから始まったと言っても過言ではないよ
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。