第33話

捲ったページの先は_________
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2021/07/06 07:47
緑谷出久くん
少なくとも、中学校時代個性は無いと判断..いや、診断されていた

はずだった

しかし、彼は雄英へ行くと譲らず、こうして今この高校で学んでいる
そんな輪の中で彼は周りに劣ることなく学習していた
勉学なら中学生の時も上位にいたはず

しかし、彼は無個性

それなのに、彼は今
超パワーの個性を使っている
琴花 あなた
(戦いにおいては全く読めないけど、戦い以前に、彼の問題はあまり詮索しないでおこうか)
超パワーvs花言葉

どちらの方が強いかと言われると反応に困ると言うものだけど、私なら緑谷くんの個性の方が強いと思ってしまう

筋力的な差はさておき、純粋な力というのはかなり強いと思う
だけど、代わりに扱いが難しい

けれど、さっきからの緑谷くんの動きからすると、ある程度はコントロール出来てる
コントロールされている力というのはどんなものよりも強い

と思う
琴花 あなた
.........
(少し、時間が欲しいな)
緑谷 出久
(ず、ずっと黙ってる...っ💧)
緑谷 出久
(...じゃなくて、!考える時間を与えたらダメだ!)
数分停滞状態にあった戦況が、ここで一気に動いた

私の思考を完結させまいと、緑谷くんは私との距離を詰め、勝負をつけようとしてきた
流石の分析力

確かに、相手の思考が固まる前に考えることを止めさせてしまえば相手は焦る
でも、逆にその相手からすると、それは実に予想できる行動だ

改善策など、立てていない訳がない
琴花 あなた
(残念だけど、私の思考は既に出来上がってる)
琴花 あなた
(ここからは、物語のページを捲っていくだけだよ)
私は緑谷くんに追いつかれる前に細い路地へ入った

そこからは軽い鬼ごっこだ

もちろん、速さでは緑谷くんに敵わない
でも、相手と比較した自分の実力を把握しているからこそできる、弱者なりの行動っていうのがあるんだよ
緑谷 出久
(行動に迷いがない..)
緑谷 出久
(既に考えはあるってことか。初見とは言え、琴花さん、全く読めないな..)




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芦戸 三奈
っ..💧
上鳴 電気
なんつーか..💧
切島 鋭児郎
この戦い、全く分からないな..💧
あまり変わっていないように見える戦況
ずっと黙ったままの2人

情報量が少なすぎて、全く読めない展開の試合となっていた

何をするのか、先がどうなるのか
何も分からない試合に、観戦者の方が酷く困惑していたと共に、もどかしさを感じていた
葉隠 透
ッ!でもでも、あなたちゃん、これ割とピンチじゃない?
大画面に映る2人の戦闘中継
そこには現在、ビルに駆け込む琴花の姿が映っていた

ビル、即ち建物に入るということは、行動範囲を絞ることになる
峰田実
そう見えるけどよぉ、琴花のやつ、全然必死そうには見えねぇよなあ
八百万 百
考えがあっての行動というのは理解出来ますが...
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緑谷 出久
(よし、誘い込めた!!)
どうやら、緑谷くんは私をここに誘い込みたかったみたいだね
でも、誘い込まれてるのは最初の段階で気付いてた

緑谷くんと私では圧倒的に速さも力も差があるのに、お利口にくっ付いて走るなんて、敵の行動としては有り得ない
なら、誘い込んでるってすぐにわかるよ

でも、私はあえてその策に乗った
琴花 あなた
(追い詰められた、逃げ道なし、絶体絶命。
だからってはい捕まりますなんてする訳ない)
だって、私の目的地もここだから
私は建物内に造られていたエレベーターで上の階を目指した
このビルは8階建て

私はエレベーターを6階で止めた
しかし、エレベーターからは降りなかった

エレベーターの天井にある救出口から外に出ると、エレベーターを足場に、内部に取り付けられていた梯子を使って更に上の階を目指した

この行動には深い意味はなくて、ただの時間稼ぎ
緑谷 出久
(6階に止まってるのに、どこにもいない..時間稼ぎか!!)
下の階
まぁ、6階だろうけど、大きな音がした

外で戦ってた時の看板壊しの件から推測するに、緑谷くんだろうね
琴花 あなた
ッ!(案外早く気付かれたな..)
あの後、私は屋上へと向かった

それから10分もなく、緑谷くんは気が付いた
それからここへ来るまでは差程時間がかからないはず

急がないと
琴花 あなた
オトギリソウの花言葉は________
緑谷 出久
琴花さん、いた!!
琴花 あなた
ぅぎ、緑谷くん、速すぎる
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芦戸 三奈
今ぅぎって言った?
葉隠 透
うん、言ったね
八百万 百
言いましたわね
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緑谷 出久
琴花さん、大人しく捕まって..ッ!
琴花 あなた
ばーか、君じゃなくても、私の返答なんてわかると思うけど
緑谷 出久
そ、それはそうだけど..っ
琴花 あなた
.....さて、話してる暇ないし、さっさとしよ
緑谷 出久
ぁ、う、うん!
第3ラウンド、か...あんまり長引かせるつもりじゃなかったけど、予測が大幅に外れた

緑谷くんもだけど、それ以前に
雄英ここは流石の名門校だよ
みんな、まだレベルが高いとは言いきれないけど、予想を超えるくらいのレベルはある
緑谷 出久
ワンフォーオール・フルカウル!
緑谷くんがそう唱えると、彼の体を蒼い稲妻が包んだ

しかし、それを視界全体に捉えることができたのは一瞬で、すぐに私の前から消えてしまった
琴花 あなた
(えっぐ..ッ)
琴花 あなた
西洋柊!!
赤くて丸い西洋柊が咲き、小さな実がどんどん膨らんでいった

そこに緑谷くんの攻撃が入ると、柊は弾力性を増し、攻撃を跳ね返した
琴花 あなた
defense
"防御"それが柊の花言葉
緑谷 出久
ッ...
攻撃力を持っていなくも、相手が攻撃力を持っていたならば、利用してやるのが得策
緑谷 出久
(弾力は..鉄壁じゃない!!)
すると、次に緑谷くんが取った行動は、単なる蹴りだった
しかし、その蹴りは今までのものよりもはるかに威力が上がっていて、瞬時に私の個性は耐えきれないと判断できた

すぐに避けないと反発した個性+緑谷くんの蹴りが来る
けど、逃げ場がなかった
左右に逃げても間に合わない
逃げるなら後方だけど、私は現在屋上の端へと追いやられている状況
琴花 あなた
ッ!(やば、っ)
緑谷 出久
ッ!琴花さん!!
私はそのまま個性の衝撃に耐えきれず、後ろに体重を預けることしか出来なかった
無論、後ろへ倒れていく体は、そのまま空中へと投げ出された
視界ははっきりしている
けれど、時間がゆっくりと動いているようだった
私を追って自ら飛び降りた緑谷くんの手がこちらに伸ばされていた

助からなきゃ
その一心で、私も手を伸ばした





















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