第34話

花の勝利
536
2021/08/30 17:04
私が手を伸ばすと、緑谷くんは私の手を強く取ってくれた
彼の体も既に空中にあり、着地をするしか助かる方法はなかった
でも、彼ならこれくらいの高さ、難なく着地できてしまうんだろうな
緑谷 出久
琴花さんっ、大丈夫?
彼は私を抱えながらそう言った
琴花 あなた
うん
琴花 あなた
....ねぇ、1つ聞いていい
緑谷 出久
ぇ、(今..?)う、うん
琴花 あなた
ヴィラン相手にも同じこと、するの?
緑谷 出久
.....うん
琴花 あなた
そっか
琴花 あなた
優しいんだね
緑谷 出久
.......
琴花 あなた
でも、それは甘すぎるんじゃないかな
私はここで個性を解除した

屋上でギリギリ発動できた個性
オトギリソウ
オトギリソウの花言葉は秘密

秘密による効果は、対象物を秘密にする..つまり、隠すこと
私はずっと、手に拘束具を握っていた
別にポケットなどにしまっていてもいいけれど、落下している状況で取り出すのは難しいし、何より緑谷くんに気付かれてしまう

だから隠した

だけど、今それを解いたということで、私の手には拘束具が顕になっている
「...カチャ」
緑谷 出久
えっ
私は緑谷くんの両手を拘束した






このままでは2人共地面に叩き付けられる訳だが、琴花は平然としていた
琴花 あなた
(地面まで数メートル、今!)
琴花 あなた
ストレリチア
そう唱えると、私の背中に鳥のような花弁が現れた
そのまま軽く飛翔し、着陸した

無論、私も彼も無事だよ
緑谷 出久
あ、あははは💧
(ここまで予想できてたってことか)
緑谷 出久
あ、ありがとう、琴花さん
琴花 あなた
うん
琴花 あなた
(負けたのにお礼、か..)
直後、会場にブザーが鳴り響いた

演習終了だ












私達がモニターの前に戻ると、みんなは唖然としてモニターを見ていた

もう演習は終わっているのに、と私はただひたすら疑問に思ったけれど、それ以外は気にならなかったので放っておくことにした
葉隠 透
はっ、おかえりー!!
麗日 お茶子
うん、ただいま〜!
耳郎 響香
ただいま
ちなみにと言うと、緑谷くんは俄然ブツブツ言ってる、ちょっと煩わしい
麗日 お茶子
みんな揃って画面見つめてどうしたん?
上鳴 電気
いや〜全く予想のつかない
演習だったな〜って
葉隠 透
何がどうなってあぁなったのか全く分かんなかった!
芦戸 三奈
これぞ頭脳戦って感じだったよねっ!
耳郎 響香
あの場にいたらあんまり分からなかったけど、確かに、お互いに戦略で攻めるところが多かったよね
麗日 お茶子
(え、私何も分からんかった)





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八百万 百
そう言えば、琴花さんはあの時なぜあの建物を選んだのですか?
あのビルの周りには他にも、同じ階層やそれ以上のビルがあったと思うのですが..
琴花 あなた
え、1番近かったからだけど
八百万 百
へぁ、そ、そうでしたのね..!!
少し冗談を言ってみたつもりだけど、ここまで純粋な反応をされると罪悪感というものが生まれる

まぁ冗談という名の本音だけれど
琴花 あなた
..ごめん、冗談
それも理由の1つだけど
琴花 あなた
1番の理由は、緑谷くんの個性だよ
彼の個性はパワー系でありスピード系であり..と、まぁ簡単に言えばオールマイトに良く似た個性
まぁ、彼の場合は自ら制御しているようだけれど

で、彼の個性なら4階くらいならものの数秒で登りきってしまう
そこまでは八百万さんも予想出来てるみたいだから、そこの説明は省いて説明することにした
琴花 あなた
私たちが入ったビル、よく見ると他のと少し形が違った
だから、階段が階層ごとに別の場所に設置されてる特殊な建物だと思ったんだ
琴花 あなた
大まかな理由はそれだけ
私、あまり咄嗟に判断するの得意じゃないから、単に登るのに時間がかかる建物を選んだだけ
琴花 あなた
彼、自ら個性を制御しているようにも見えたから、それをふまえた実力で計算して、なるべく時間を稼いだにすぎない
八百万 百
ということは、緑谷さんの実力を考慮したうえで、時間が稼げそうなビルがあの建物だったということですわね
琴花 あなた
うん、スピードとパワー両方持たれてちゃ普通にやりあったところで私に勝ち目ないし
琴花 あなた
なら誘い込んで策にはめるしかないなって
八百万 百
なるほど...





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耳郎 響香
...ごめん、やっぱ私もあんまり分かんないかも
麗日 お茶子
だよね..っ!!
A組の結論
「琴花あなたは良く分からないやつ」



















  
 

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