NO side
そうして、田中と共に歩み始めた伊吹。
そんな伊吹と田中の生活に変化が訪れるのは突然のことだった。
それは、伊吹の5歳の誕生日も近づいてきた3月下旬だった。
ジャニー「やぁ。元気でやっているかい?」
田中「社長!お久しぶりです!」
ジャニー「久しぶりだね。」
伊吹「おじいちゃん!!(走る」
ジャニー「元気そうで安心したよ。」
田中「今日はどうされたんですか?」
ジャニー「もうすぐ、誕生日だろう。」
伊吹「うん!」
ジャニー「その前に話しておきたいことがあってな。」
伊吹「どうしたの?」
ジャニー「You、ジャニーズにならないか?」
田中「えっ?」
伊吹「私が…?」
ジャニー「そうだ。Youならこの事務所に新しい風を吹かすことができる。どうだ?Youも“嵐”のように輝かないか?」
伊吹「嵐…みたいに…」
田中「…」
ジャニー「まぁ、You次第だ。厳しい世界だから、無理にやらせるつもりはない。」
伊吹「…やる。」
ジャニー「ほう。」
田中「…」
ジャニー「オーディションは4月だ。楽しみにしているよ。」
伊吹「うん。」
ジャニー「田中くん。」
田中「はい!」
ジャニー「少しいいかね、」
田中「はい、なんでしょうか。」
ジャニー「あの子は、オーディションでどんな結果を残そうと受かる。(」
田中「えっ?」
ジャニー「だから、あの子が入所したら、君にマネージャーを頼みたい。」
田中「それは…」
ジャニー「アイドル、伊吹あなたのマネージャーだ。」
田中「…分かりました。」
こうして、オーディションを受けることになった伊吹。
そして、4月某日オーディション会場で、“同期”と
出会いを果たすのだ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!