《あなたside》
夢か…。
妙にリアルだから現実かと思った。
起き上がると包帯が巻かれていて、ガーゼを貼られていたり手当てをされていた
服も変わっていてそらの服を着ていた。
お礼を言おうとしたがみんな寝てしまっていた。
スマホの画面を覗くと既に日付は変わっていた。
トイレに行こうと思いベッドから降りようとする。
全身に激痛が走る。
そういえばアバハウスまで戻ってくる途中に転んだんだっけ…。
ゆっくりと起き上がり、壁に寄りかかりながらなんとかトイレまで辿り着く。
用を済ませそらの部屋へ戻ろうとする。
全身、特に膝や肘などの関節が痛い。
我慢してゆっくり少しずつ歩く。
部屋の扉を開けるとそらとりっくんが起きた。
そんな談笑をしているとりっくんが口を割った。
そして、えいちゃんのことをずっと好きだったこと。
元カレとのこと。
全て話した。
途中泣きそうになったけど泣いてちゃダメだと思って涙を必死に堪えた
そう言って私は壁に寄りかかりながら自分の部屋に戻った。
続く 。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。