《エイジside》
さぁ困った。
今夜寝泊まりする場所がない。
ポリポリと頭をかくが何もいい案が思い浮かばない。
このままあかねの家に戻って正直に話すべきか。
それとも
また逃げて他のところに泊まらせてもらうか。
そう独り言を呟き、あかねの家に向かう。
*
\ピンポーン/
まさか
という顔をしているあかねを見てとても悪いことをしているような気分になる。
あかねの家に入り、俺たちは向かい合って座った。
あかねは下唇を噛み締めながらも俺の顔を見て最後まで話を聞いてくれた。
あかねはそう言って俺を部屋から追い出した。
遂に行く場所を無くしてしまった。
今更アバハウスに戻ってもいいのだろうか。
あなた達は許してくれるのだろうか。
いや、今はそんなものは関係ない。
俺の気持ちを伝えに行こう。
今度こそは、
と覚悟を決めアバハウスのある方へ走り出す。
続く 。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。