《エイジside》
あなたに押し倒された時、嫌ではなかった。むしろ嬉しかった。
彼女がいるのにこんな気持ちになるっておかしいよな…
俺って欲求不満だったのか…?
そんな事を考え歩いているとすぐに目的地に着いた。
そう。あかねの家だ。
呼び鈴を鳴らすとすぐにあかねが出てきた。
そう言ってあかねの家に入った。
あかねの家に入ると覚えのある香りがした。
あなたが部屋に置いてるやつだ。どっかで嗅いだとこあると思ったら…
って、なんでここに来てまであなたなんだよ。
今はあかねといるんだから他の奴のことなんか思い出さなくていいっつーの!
あかねに抱きついた勢いでそのままベッドに押し倒す
あなたのことなんか忘れてあかねを抱きたいと思った。
あかねが何か言っていたが俺は今すぐにでも抱きたかった。
あかねの口を塞ぐようにキスをする。
苦しくなってきてあかねが口を開けたタイミングで舌を入れる。
俺は何もしゃべらずにただあかねにすがりついた。
あかねといるのに。頭に浮かぶのはあなただった。
(俺はあかねが好きなのに。なんであなたが…!)
珍しくあかねは俺の上に乗ってきた。
あなたと同じ体位だ。
…だからなんであなたが…!!!
いつもならこの言葉で胸がいっぱいになって、嬉しいはずなのに今は違う。
何故だか罪悪感に包まれている。
''俺もだよ''
なぜだかいまはこの言葉を言うだけで苦しくなった。
あかねの顔を直視できない。
凄く悪いことをしている気分で居ても経ってもいられなかった。
でも家に帰るわけにもいかないし。
当分はあかねんちに泊まりになりそうだ…
ことを終え、しばらくこの家にお世話になりたいということをあかねに話す。
何故かそれ以外に言葉が出てこなかった。
続く 。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!