健人side
あなた「よろしくね、健人」
『け、健人…?』
あなた「あれ?下の名前けんとって読むんじゃないの?」
『そうですけど…』
女子に下の名前で呼ばれたのなんていつぶりだろう
しかも初対面の、風磨みたいなタイプの女子に
あなた「もう!間違えたかと思ったじゃん笑」
『あ…えっと、すみません…』
あなた「健人昨年何組だったの?」
『4組です』
あなた「じゃあ2年連続でまっちゃんなんだ?」
『はい………永瀬、さんは?』
あなた「1組だったよ〜!てかさ、なんで敬語なの?それに永瀬さんって笑」
『だって初対面だし…』
あなた「そーだけどクラスメイトじゃん?席隣なんだし仲良くしよーよ」
さっきから返事に困ってる
こんなフレンドリーな女子なんて初めてだ
『う、うん…』
あなた「ありがと!私のことはあなたでいいよ」
『あなた…ちゃん』
あなた「んんー…呼び捨てがいいけど許す!」
『ありがとう』
あなた「んーん!1年間よろしくねっ」
そう言って永…あなたちゃんが笑った時
俺の中で何かが弾ける音がした
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!