健人side
あなた「健人おはよっ」
『おはよ!』
朝、駅であなたを待っていた
俺の隣に朱音の姿はない
いつも佐藤くんと行ってるのにどうしたんだろ?
不思議に思いながら教室へ向かった
ガラガラ_
朱音「あっ…」
『朱音朝どうしたの?』
朱音「い、いや別に…」
『そっか…』
朱音「っ…健人!ちょっと来て…?」
『えっ…と』
返事に困ってあなたに視線を投げたけど
あなたは行ってきていいよと俺に告げて俺から離れた
俺は朱音の後ろをついていく
たどり着いたのは、屋上
朱音「け、んと、ごめん…」
『へ?』
朱音「私、私…健人が好きなの…」
朱音からの突然の告白に驚く俺だけど
朱音はお構いなしに続けた
朱音「ずっと好きだったよ…」
『朱音…』
朱音「勝利と付き合ってるなんて嘘。お昼一緒に食べようって言ったのも健人に近づきたかったから、健人の気を引きたかったから」
『え…?』
朱音「私最低だよね。健人と付き合いたいからって勝利に近づいたりわざとあなたちゃんに仲いいとこ見せつけたりした」
『最低なんかじゃ…』
朱音「健人は優しいね、昔から変わってないしそんなとこも含めて好きだった。だけど私が好きになったのは"あなたちゃんに恋してる健人"だもんね…」
『ご、めん…』
朱音「私のこと、振ってくれないかな?」
好きでいてくれたなんて全然気づかなかった
気づかないうちに苦しめてたのかな…
朱音は大切な幼なじみ
でも俺が好きなのはあなただから言うよ
『俺はあなたが好きだから朱音とは付き合えない。ごめんなさい』
朱音「うん、ありがとう」
朱音は泣きそうな顔で
だけどどこかスッキリした顔でそう言った
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!