第6話

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2021/03/06 17:27
花火大会当日
康二くん
康二くん
あなたちゃん浴衣似合ってる可愛い
あなた

ありがとー

康二くん
康二くん
なんやねんその心のこもってないありがとうわ!
あなた

だって康二くん色んな人に言ってそうだし

康二くん
康二くん
あんなあ、俺こう見えて可愛い人にしか可愛いって言わん主義やから
あなた

はいはい

康二くん
康二くん
まああなたちゃんは地味やけどな
あなた

うわーやっぱり康二くんと来て間違いだったわー

康二くん
康二くん
おいおいおい!てか、友達は?
あなた

夏風邪だってさ、あーあ…

康二くん
康二くん
じゃあ思う存分その子の分まで楽しむで!
あなた

うん!

 
ガラス張りのレストランの前を横切った時

目黒くんの姿が見えた。
あなた

目黒くんってさっきのとこでバイトしてたんだね

康二くん
康二くん
うん
あなた

最近忙しそうだよね体大丈夫かな

康二くん
康二くん
俺といるんですけど?
あなた

あははーごめんごめん

康二くん
康二くん
またひきつった、そんなに俺嫌い?
あなた

そんな!むしろ好きだよ!

康二くん
康二くん
ほんまにその言葉間に受けてええやつ?
あなた

うん

橋のど真ん中で康二くんは熱のこもった視線を向けてきた。

そして私を抱き寄せた。
康二くん
康二くん
俺あなたちゃんの事大好きやで
あなた

そーゆー冗談言わない方が良いよ

康二くん
康二くん
本気やで
あなた

私は目黒くんが好きだから

康二くん
康二くん
好き好きゆーて何も行動してないくせに?
あなた

それは目黒くんにはさえさんが居るし

康二くん
康二くん
好きやったら欲深くなるもんやで黙って人の幸せ願う程余裕なんて無くなってまうもんやと思うけどな
あなた

私の幸せは私が決めるし

康二くん
康二くん
そんなんゆーても限界はいつか来る
あなた

その限界を決めるのは私

康二くん
康二くん
限界を越える前に俺を使ってめめの事なんて忘れろよ
あなた

そんなこと

康二くん
康二くん
俺を使えよ。
あなた

無理だよそんなの

康二くんを押し飛ばし私は走った。
さっきのレストランの中を眺めると自然と涙が溢れてきた。

目黒くんがさえさんに接客してた。


限界を越える前に忘れなきゃ。


そう思うと涙が止まらなくて…

少しの時間目が合ったけど

私はすぐにその場を立ち去った。










さえ
蓮?
さえ
れーーんーー?
目黒くん
目黒くん
ん、あ何?
さえ
どうかした?
目黒くん
目黒くん
ん、いやなんでもないよ
私はこの時決めた。

蓮を解放させようと。

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