【 爆豪くんと、ギュッ! 】
────爆豪勝己には彼らしくない不思議な癖(くせ)がある
その事に最初に気づいたのは爆豪と行動を共にすることが多い切島、上鳴、瀬呂の三人だった
────────
*
*
*
「で、どーするんだよ」
「どーするって言われてもなぁ」
「爆豪がなんであんなことするのかちっとも分からないし」
ガヤガヤと騒がしい昼休み
沢山の生徒が賑わうランチタイムの食堂で
切島、上鳴、瀬呂の三人は悩んでいた
話を切り出した切島は焼肉定食を頬張りながら
それに答えた瀬呂はドリンクのコーヒを飲みながら
瀬呂と同様に答えた上鳴は食後のデザートであるプリンをスプーンでつつきながら話した
はたから見れば全く悩んでなさそうに見えるその光景も実は彼らからしたらかなり深刻な悩みなのだ
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!