第15話

少しショックを受けている自分に気づいた
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2019/10/10 16:00



夜の12時、オレの家に春樹と陽司が来た。


長岡 春樹
「さっき初バイト行ってきたんだけど、そこに愛花ちゃんいたの。超びっくり。」


春樹がバイトを始めると言っていた。

今日がその日だったらしい。


菅原 理玖
「愛花バイトしてたんだ。」


当たり前だけど愛花がバイトしていることは知らなかった。

理由はただなんとなくだけどわかってしまった。


斎藤 陽司
「はあ、オレも暇だからバイトしようかな。
理玖もバイトたまにいってるしオレも始めようかなー。」


オレはたまにバイトに行っている。

父親の親友が経営している居酒屋。


斎藤 陽司
「ねー、隣が西原さんち?」
菅原 理玖
「まあそうだけど。」


陽司がオレの部屋のカーテンを開け呟いた。


時刻はもう2時半なのに愛花の部屋のカーテンからは光が漏れていた。


斎藤 陽司
「アレ、西原さんの部屋?電気ついてるじゃん。連絡してみなよ?」
菅原 理玖
「は?なんで?てかオレ愛花の連絡先知らねえよ。」


そう、オレは愛花の連絡先を知らない。


知っているのといえば家の住所と家の電話。



ただそれだけしか知らない。



携帯を持ち始めたときにはもう既にオレは愛花との距離をとっていた。


斎藤 陽司
「まじ!?幼馴染の連絡先くらい常識だろ。」
菅原 理玖
「オレほんとに愛花のことほとんど何も知らないから。」
長岡 春樹
「その言葉、まったくおんなじこと、愛花ちゃんも言ってた。今の理玖のこと殆ど知らないって。」
菅原 理玖
「お前なんで愛花と関わってんだよ」
長岡 春樹
「理玖くんすぐキレる!」


玄関の扉が開いた音がした。

母さんが帰ってきたのかと思ったけど違ったみたいだった。


すぐにオレの部屋の扉をノックする音が聞こえた。


理玖の兄(菅原 隼人)
「理玖、開けていい?」
菅原 理玖
「あぁ。」

声を聞いてすぐにわかった。


理玖の兄(菅原 隼人)
「ごめん、友達来てたんだ。
この間家に来た時に忘れてものしたから取りに来たんだ」


兄の隼人だった。


菅原 理玖
「こんなど深夜に。」
理玖の兄(菅原 隼人)
「あはは、起きてたんださすが不良。ってどうした!?髪色!!!!!」
菅原 理玖
「まじめになろうかなって。」


昨日、黒髪に染めた。
理玖の兄(菅原 隼人)
「ふーん、なるほどね〜〜!!
そいえばこの間水族館でデートしてる愛花ちゃんに会ったよ。」
菅原 理玖
「へー、なんか話した?」
理玖の兄(菅原 隼人)
「5年ぶりくらいに会ったからお互いびっくり。
愛花ちゃん大人っぽくなったね。すんごい可愛かった。彼女と結婚するよって話した。そんだけだけど。」
菅原 理玖
「隼人まじで結婚すんの!?」
理玖の兄(菅原 隼人)
「ん、今度連れてくるねー!じゃまた21日に!」


やっぱり、愛花には彼氏がいるのかと少しショックを受けていた自分がいた。


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