第16話

私ってどうしようもない女だ
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2019/10/13 10:09
西原 愛花
「おつかれさまです!」



土曜日、3人で勉強会をする日になってしまった。


白岡 涼
「じゃあ、行こっか?」


3人で涼さんのお家まで歩いた。


長岡 春樹
「オレも涼さんって呼んでいいですか?」
白岡 涼
「全然いいよ。そう呼んでほしい!」
長岡 春樹
「やったー、涼さんと愛花ちゃん仲良いんですか?」
白岡 涼
「うん、仲良いよね?愛花ちゃん?」
西原 愛花
「そうだね、うん、仲良いよー。」


長岡くんに涼さんとの関係がバレるのが嫌だった。


白岡 涼
「どうぞ。」
2人
「おじゃまします。」


涼さんのお家に来るのは1週間ぶり。

いつも綺麗だなと思う。


白岡 涼
「なんか食べる?みんな夕飯まだっしょ?ピザ取ろうよー!」
長岡 春樹
「あ!いいですね!」
白岡 涼
「愛花ちゃん食べれる?」
西原 愛花
「うん、ありがとう。」


涼さんはピザ屋さんに電話していた。


白岡 涼
「あ、またお酒と水しかない。オレ買ってくるね。」
西原 愛花
「涼さん、私買ってきますよ。」
白岡 涼
「ううん、だめ。夜だし危ないから。春樹くんと待ってて。」
西原 愛花
「わかりました、準備して待ってます。」


涼さんは行ってしまった。


長岡くんと2人になるのが気まずかったのもある。

だから私が買い物へ行きたかったの。


涼さんが家を出てすぐにお皿とコップ、お箸の準備をした。


白岡 涼
「さて愛花ちゃん。」
西原 愛花
「はい?」
長岡 春樹
「涼さん彼氏っしょ?」
西原 愛花
「え、なんで!?違うよ??」
長岡 春樹
「こないだの朝、一緒に学校行ったのに?」
西原 愛花
「みて、た、の、、、?」
長岡 春樹
「うん、あと、バイトで鞄受け取ってるところもみちゃった、ごめんね。」


1番みられたくない人に見られていたみたいだった。


さて、なんて言い訳しよう。なんて説明しよう。

長岡 春樹
「彼氏?」
西原 愛花
「ううん、なんだろ、友達」
長岡 春樹
「食器のある場所知ってるって只の友達じゃないでしょ?」


はあ、だめだもう、何も言い訳できない。


長岡 春樹
「もしかしてセフレ?」
西原 愛花
「違う!」
長岡 春樹
「びっくりした、愛花ちゃんて動揺することあるんだね。」
西原 愛花
「ごめ、大きな声だしちゃって。違うよ、違うからね。」


動揺していつもより大きな声で否定してしまった。


セフレじゃないよね…??シてないし…、でも、


白岡 涼
「コラ!春樹くん虐めないの!」
長岡 春樹
「涼さん!?早いですねー!」
白岡 涼
「だって愛花ちゃんと春樹くん2人にしたくないんだもん!」
西原 愛花
「涼さんっ!」
白岡 涼
「オレと愛花ちゃん、セフレじゃないよ。
オレ他にセフレ3人いるから。クズ男でしょ?
愛花ちゃんが家に帰りたくない日にオレの家に泊まってるだけ。手だしてないよ。春樹くん納得してくれた?」
長岡 春樹
「は、い。」
白岡 涼
「春樹くん理玖くんの友達でしょ?
オレと愛花ちゃんの関係、理玖くんには絶対に教えないでね。ね?愛花ちゃん」
西原 愛花
「長岡くん、お願い、理玖だけには言わないで。」



理玖に幻滅されたくなかった。


はあ、私ってどうしようもない女だ。



長岡 春樹
「愛花ちゃん、?」
西原 愛花
「え?」
長岡 春樹
「泣きそう?
オレそんなつもりで言ったわけじゃなかった。ごめん。」
西原 愛花
「大丈夫、私泣かないよ。大丈夫だから。
ごめんね、長岡くん。私ってほんとめんどくさい女なの。」


思わず弱音を吐いてしまいそうになった。



ピンポーン



ピザが届いたみたいだった。


白岡 涼
「ほら、ピザ食べよ?」
西原 愛花
「うん、」


ピザを食べて、勉強を始めた。

長岡くんはテスト範囲すら知らなかったみたい。


長岡 春樹
「オレ、テスト勉強したの初めて。」
白岡 涼
「え?今まで何してたの?不良?」
長岡 春樹
「そうなんすよ、オレ不良だしバカだし、
あ、でも、理玖は頭が良いです。」
白岡 涼
「へえ、理玖くん頭いんだ!そうなの?愛花ちゃん。」
西原 愛花
「うん、理玖は昔からずっと賢い。」
長岡 春樹
「でも愛花ちゃんも賢いでしょ?学年1位でしょ?」
白岡 涼
「え!愛花ちゃん学年一位なの!?まじ!?ヤバ!」
西原 愛花
「涼さんそんなにびっくりする!?
ほら、私家で勉強することくらいしかやることないから。リビングには行けないからTV見れないでしょ?」
白岡 涼
「そっかー。」


涼さんはずっと長岡くんに勉強を教えていた。
私は黙々と一人で勉強していた。

気づいたら時刻はもう24時になっていた。


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