「思ったより仕事長引いたな」
時計の針を見ると「11」の文字を指していた
「行けへんか」
今日はあなたに会えない
「まぁ、しゃーない!あいつやってもう寝てるやろうし、明日行けばええよ!」
そんなこと自分に言い聞かせるように駅までの道を歩いていた。
その時__
「智くん!」
俺はすぐにわかった。
「あなた?!」
声がしたほうを見ると手を振ってるあなたがいた。
「あなた?何してんの、病院は?!」
「・・・えっ、と、、」
「なん?勝手に出てきたん?」
「・・・うん」
「ほんま何やってんの?!あかんやろ!勝手に出てきたら!」
「・・・もん、」
「え?」
「やって、、やって会いたかってんもん!」
「え、、?」
「智くん今日来おへんから!いつも来るのに」
「え、ご、ごめんなぁ。仕事長引いちゃってさ」
「でも、だからって、病院抜け出したらダメやろ?」
「そ、そんな怒らんでもええやん、、」
「あーほらもう、、怒ってへんから泣くな?でも俺は、あなたが心配やから言ってんねん。今度から抜け出さんといてや?」
「・・・うん」
「ん、ええ子」
そう言って、俺はあなたの頭を撫でる。
「おし、病院戻ろか!」
「うん・・・」
「ん?どした?元気ない?」
「智くん、ごめんね、迷惑かけて」
「迷惑はかかってへんよ?心配はしたけど。あなたになんもなかったんやからええよ」
「そっか。ありがと」
あなたがいるはずもないとこにいてびっくりしたけど、無事やったし、会いたかったとか可愛いこと聞けたからええか 笑
なんて、呑気なこと言ってる場合やなかった。俺は、あなたの変化にも気づけへんかったんやから。
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長くなるんで、前編・後編に分けます!
次のも見てくださああああい!!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。