今日が、最後の日。
私が広場に出される、最後の日。
私達捨て子は、普段は真っ暗な所にぎゅうぎゅうに押しつぶされて過ごす。
でも、12時から16時までダンボールの中に入れられて、ある広場に運ばれる。
その広場では捨て子達を自由に拾っていく事が出来るんだけど…………
みんな、お金で困ってて、一人の子供を育てて行くことなんて出来ないんだ。
だから大体、いつも誰も来ない。
……………今日も、期待はしない。
どうせ、死ぬんだ。
どうせ、無理なんだ。
ポジティブには、生きていけない。
ここは、そういう世界だから。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!