次の日から、私は、凛の事を無視した。
凛は机に落書きをされたり、スカートを切られたり、倉庫に閉じ込められたりしていた。
あのか細い手を握って、一緒に戦えたらどれだけいいのだろう。なんどもそう思った。
凛。
凛と話したい。
凛とまた笑い合いたい。
ねぇ、凛にとって私は、ただの"親友"ってものだったのですか?
私は凛の事が大好きだった。
抱き締めた時のあのぬくもりも、匂いも、全て、大好き"だった"。
あの頃に戻りたい。
凛、始業式の時の、あの自然な笑顔。
あれは、何処に行ったの?
作り笑いはもうやめてよ。
お願いだから、笑って。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!