現在:雄英
転校初日に五分で早退…
嵐みたいな子やったね…
ガラガラっ。
休憩時間中、目の前のザワザワした教室のドアが開かれる。
すると教室中の視線がこちらを向き、その目は驚きで見開かれた。
………
どうもどうも〜こんにちは〜!
いやぁ〜、すみませんね、相澤先生。
不機嫌顔の私を引き連れてきたお兄ちゃんが先生にそう言い、1年A組は私とお兄ちゃんを交互に見比べる。
目隠し…!目隠ししとる…!
家族…かな?
アレで他人はないんじゃないか…?
色々囁かれる中、お兄ちゃんは私の手を取ったまま教室へ足を踏み入れた。
妹が勝手に早退して来たみたいでね。
…いえ、電話の内容で察しましたので。
戻って来てくれて助かります。
(やっぱ妹…!!)
何度も言うけど、ダメだよあなた〜。
もし本来はここにいる時間に何かあった場合
腐ったミカンから小言言われるのは、僕とあなただよ?
………
疲れて帰って来た後で、僕とあなたとの時間潰されるの嫌でしょ?
その問に小さく頷く。
それを確認すると、お兄ちゃんはニコッと口元に笑みを浮かべた。
じゃあそうならないよう、頑張ろっか。
…はーい。
よしっ、いい返事いい返事!
お兄ちゃんはそう言うと、私の頭を優しく撫でる。
じゃあ僕、これから出張だから。
僕がいない間、頑張るんだよ?
…えっ。
何それ?聞いてないよ??
あれ??言ってなかったっけ??
ポカンとするお兄ちゃんに全力で詰め寄った。
お兄ちゃん、よりにもよって私に言うの忘れてたのっ!?
信じらんない!!
言ってなかった!?
言ってない!!
えぇ…言ったつもりだったんだよ…!!
本当ごめん!!!
お兄ちゃんは顔の前でパンっ!と両手を合わせ、頭を下げてくる。
も"〜最悪っ!!
私がここにいるの、どれだけストレスになるか分かってないでしょ!!
日頃のストレスと一緒に愚痴ろうと思ってたのに〜っ!!
本当にごめん〜っ!!!
分かったらさっさと行って、さっさと帰って来て!!
もちろん大量の甘いお土産と一緒にね!!
するとお兄ちゃんは「了解しました…!」と私に向かって敬礼し、
頑張ってね…!!
そう言いながら足早に教室を出て行った。
……
私はお兄ちゃんを見送った後、
…はぁ……最っ悪。
そう呟いて教室内を睨みまわした。
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