淳太side
あれから毎日連絡を取っている。
もう時期、合鍵を渡そうかな。
なんて思っていたら、時間が経ち、
コンサートツアーが始まった。
今日は大阪。
ヘアメイクして楽屋で待っていたとき。
マネージャーに呼び出された。
ジャニーさんに呼び出された。
てか、会場にわざわざジャニーさんなんて。
コンコン…)
ジャニーさんの聞きなれた声が聞こえた。
ガチャ)
大きな椅子に座り、俺をじっと見つめる。
ドアのところで立ち止まっていると、
と、手招きされて俺はジャニーさんに近づく。
俺はジャニーさんの正面で彼を見つめた。
バンッ)
机の上に叩きつけられた週間雑誌。
ジャニーさんが指さした人物。
まさにそれは俺で。
俺が抱きしめている相手は、
それは紛れもなくあなたやった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!