ジャニーさんの部屋をあとにし、
楽屋に向かう。
部屋に入ると、メンバーが揃っていた。
いつものように挨拶されて。
言いかけてやめてしまった。
みんなの手には俺が載ってる週刊雑誌。
しげが近づいてくる。
分かってた。
こんなことになったらあかんこと。
付き合うのは勝手かも知らん。
でも、それはアイドルとしてどうなんやろ。
堂々と街を歩くのはどうなんやろ。
それを俺はしてもうた。
俺、最低、かもしらん。
みんなの前で頭を下げた。
冷たい視線と声をを浴びるんやって。
覚悟してたのに。
そう、思ってたのに。
そっ…)
俺の頭を柔らかく触る。
みんなは笑ってた。
クシャッと俺の頭を撫でる、しげ。
なんて、みんな笑ってる。
それに、“おめでとう”って…。
そうや、照史のメールがなかったら、
あのデートはなかったし、、
付き合うことにもならへんかった。
照史にも、メンバーにも感謝やな…。
なんて、優しく言われるもんやから。
思わず涙が出た。
そう言って神ちゃんが、ティッシュを持ってくる。
そうや。
頭の中で想像してみる。
俺と踊ってるのは、紛れもなく君。
君やないとアカンねや。
君と踊りたいんや…。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。