貴方side
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あまり本屋さんは行かない。
友達と行くことはあっても、
あまり興味のある本はない。
あまりコンビニは行かない。
お弁当は自分で作る派。
そんなこんなで最近はあまり、雑誌を見ていなかった。
新作スイーツが食べたいがあまり、
久しぶりにコンビニに寄った、仕事帰り。
期間限定のためあって2つ買うことにした。
久しぶりのコンビニやったから、
少しお店の中を回っていた。
たまたま、雑誌売場を見た。
ただそれだけ。
見覚えのある顔__。
知ってる。
私のハンカチを拾ってくれた。
私のことを初めて名前で呼んでくれた。
素敵な笑顔を向けてくれた。
そして、デートの約束をした彼。
目を擦ってみる。
ほっぺをつねってみる。
いや、これは現実。
紛れもなく、淳太くん。
ジャニーズ…。アイドル…。
こんなすごい人と私…。
…私、私なんかがあの人といていいの?
場違いじゃない?
彼が好きな人はなたくさんいる。
恋人になりたい人も、結婚したいって人も。
一般の人なんかと比べ物にならないくらいに。
いるはずだ。
・
ねぇ、淳太くん。
もう、期待するようなことはしないで?
どんどん、君に染っていきそうで。
あぁ、ダメだ。
好きになる。好きになっちゃう。
きっと、また、今日も、今も、君に惹かれていく。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。