第26話

*°♡ 26
10,981
2020/08/09 01:38
北 信介
北 信介
病院でもらった喘息の発作抑える薬、出して
彼女
彼女
なんで…?
北 信介
北 信介
薬の管理は、しっかりせんとね
彼女
彼女
私、自分で管理できるよ?
北 信介
北 信介
せやけど、薬の減り方が異常やってお父さんに注意されたで
彼女
彼女
でも…そのくらい大丈夫だよ?
北 信介
北 信介
ダメや
もらった薬全部出してや
彼女
彼女
わかりました…
なんとなく、薬の話をされるのではないかと思っていたが、やはり薬の話だった。
まぁ、前回あんだけ薬減ってたらそりゃあ怒られるわ。
北 信介
北 信介
さっそく減っとるな
彼女
彼女
これは…事情があって…
北 信介
北 信介
前の薬のあまりなん?
彼女
彼女
おん、お父さんに一応取っとけって言われて…
北 信介
北 信介
ほんなら、これは予備な
彼女
彼女
うん…!
薬ケースに振り分けをしながら、改めて薬の多さにびっくりする。
薬はすごく苦手だし、出来れば飲みたくないけど喘息の薬は慣れっこだもんね。
北 信介
北 信介
よし、これで終わりやな
もう夜も遅いから寝るで?
彼女
彼女
合宿で疲れとる中、こんなことさせてごめんね?
北 信介
北 信介
気にせんでいいよ
ちゃんと健康でいて欲しいから
彼女
彼女
ありがとう…
北 信介
北 信介
ほな、寝ようか
彼女
彼女
うん…そうやね…
浴衣に着替えて布団に入り、いつものように信ちゃんが後ろから抱きしめてくれる。
久しぶりの信ちゃんの匂いに、めっちゃ安心した。
北 信介
北 信介
おやすみなさい
彼女
彼女
ん…おやすみなさい…
しばらくして、信ちゃんの気持ち良さそうな寝息が聞こえてきた。
普段はキリッとしてるのに、眉毛下げてちょっと幼っこい顔で寝ているのが可愛い。
私は、信ちゃんに迷惑かけてないやろか。
いつ喘息の発作起こすかわからんし、迷惑ばっかりかけとるよね。
そう思うと、申し訳なくて胸が張り裂けそうなほど痛かった。
北 信介
北 信介
どないしたん?
彼女
彼女
グスッ…なんで?
北 信介
北 信介
なんで泣いとるん?
彼女
彼女
あくびしただけやよ?
北 信介
北 信介
あくびでそんな涙出るやつおるか
彼女
彼女
グスッ…だって…もう、辛い…
北 信介
北 信介
ゆっくりでいいで、話してみ?
彼女
彼女
話すけど…もっとぎゅってしてもええ…?
北 信介
北 信介
おん、ええで
信ちゃんの方に向き直って、しばらく声を上げて泣いた。
その間も、背中をさすりながら大丈夫や、って言ってくれた信ちゃんは優しいな。

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