第69話

*°♡ 69
5,678
2020/11/30 14:29
信介 side
それから、病院に搬送された彼女が治療を受けている間、俺はただ椅子に座ってぼーっとしとった。
朝、あんな喧嘩をしなければこんなことにはならなかったし、今頃彼女と笑い合っとったはずやったのに。
なんであいつばっかりこんな目に遭うん?
夢主 父(医師)
信介くん、入っていいよ
北 信介
北 信介
はい!
彼女の父にそう声をかけられ、俺は返事をして病室の中に入った。
夢主 父(医師)
何があったか知らんけど、今回はちょっと長く入院してもらうで
北 信介
北 信介
本当にすみませんでした…
俺が…傍にいれば…
夢主 父(医師)
自分を責めることやない
信介くんが原因じゃないことは分かっとる
北 信介
北 信介
せやけど…!
夢主 父(医師)
大丈夫、今はこん子の傍におって
北 信介
北 信介
はい…分かりました…
夢主 父(医師)
ほな、俺は行くから目覚ましたらナースコールしてや
北 信介
北 信介
はい…
青白い顔して色んな機械に繋がれとる彼女を見て、俺は自然と涙が溢れていた。
俺が変わってやれればいいのに、苦しい思いをするのは俺やったらいいのに。
頭の中は、そんな思いで埋め尽くされていく。
角名 倫太郎
角名 倫太郎
北さん
北 信介
北 信介
角名…なんでここに…
角名 倫太郎
角名 倫太郎
様子見てくるよう、アランさんに言われたんで
北 信介
北 信介
そうなんや…
かんにんな、取り乱して…
角名 倫太郎
角名 倫太郎
それでええと思いますよ
俺も、彼女がこんな目に遭ったら冷静じゃいられないと思います
北 信介
北 信介
ありがとさん…
今は、こいつが目覚ますの待つわ…
角名 倫太郎
角名 倫太郎
はい、そうしましょう
俺は彼女の手を握り、一刻も早く目を覚ましてくれることを願った。

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