第15話

バスにて
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2020/05/22 08:46
その日は朝からドタバタしてしまったが

これといった訓練もなく

ただ "学校っぽい" 学級委員長決めが行われた。

当初は緑谷くんと百ちゃんが委員長だったが

昼間の誤報の騒動があってから

緑谷くんに心境の変化があったらしく、

正式に委員長は飯田くん 百ちゃんになった。



そして今日

今度は何が行われるんだろうか。

ヒーロー科とはいっても

ただの高校生ではない。

プロの卵なんだ。気が抜けるわけがない。


あなた 「昨日はブレスレット探しに行く暇がなかったなあ…もう壊れちゃったかも。」
麗日 「え!あなたちゃん!!ブレスレットなくしちゃったの?!」
あなた 「うん。戦闘訓練のときに…」
麗日 「なぁっ!?大変だあ!!今日放課後探しに行こうよ!!!一緒に行くよ??」


唯一あのブレスレットが形見であると

知っているお茶子ちゃんは私に協力的だった。

ほんとうに優しいんだなあ。


あなた 「ありがとう。でももう授業始まるから席ついたほうが……」




ガラッ




相澤 「はい、おはよう。今日は実習訓練を行う。バスに乗って移動だ。すぐ戦闘服に着替えて集合。飯田、あとで報告しろ。」


あなた 「実習……??」
麗日 「今までも実習といえば実習だったよね?」
蛙吹 「バスで移動だなんて…何するのかしら。」



バスの座席は飯田くんがわざわざ気を使って

整列させた順番では座れなかった。

でもバスの中は相変わらず騒がしい。



あなた 「(隣…爆豪くんかぁ、)」


爆豪くんは頬杖をついて窓の外を眺めている。


なんか…昨日のこともあって

ちょぴっとだけ気まずいなあ……


爆豪 「…………オイ」
あなた 「…へっ??」


爆豪くんは体勢を変えずに私に話しかけてきた



爆豪 「お前…半分野郎と仲良いのかよ、」
あなた 「えっと…焦凍くんは誰にでも優しいから…仲良いってことになるのかなぁ、わかんないや」
爆豪 「そーかよ。」
あなた 「えっ、そんなこと聞きたかったの?」
爆豪 「ハァ!?別に聞きたかなんざねぇわ!!」
あなた 「えぇ……でも、」
爆豪 「ウルセェ!!黙ってろ!!!!」


少し耳赤い気がするのは見間違い?


あなた 「アハハっ」
爆豪 「何がおかしいんだよ!アア?!」
あなた 「だって…爆豪くん、照れ屋さんなんだもん」
爆豪 「ハァ!?いつこの俺が照れたんだよ!!!」



多分爆豪くんは優しいひとだから

私が居心地悪そうにしているのを見て

不器用ながらに話しかけてくれたんだろう

明らかに話の流れが不自然だ


あなた 「いいよいいよ、分かってるから」
爆豪 「テメェ何分かりきった口調でいんだよ!!」
あなた 「私知ってるよ。爆豪くんはいいひとってこと。」
爆豪 「あ゛あ゛!?!」
上鳴 「なっ何言ってんだ百合野!?コイツはクソをドブで煮込んだような性格してんだぞ!?」


途中から声が大きくなって聞こえていたんだろう

上鳴くんが話に加わってきた


爆豪 「テメェは殺されてぇらしいなぁ?!」
上鳴 「ほら!!こゆとこ!!!!」
あなた 「……ふふっ」


途端に静まりかえる車内

なにか不味いことでも言っただろうか



上鳴 「やっぱ百合野は爆豪の前だと笑うんだなあ」
蛙吹 「ほんとにその通りなのね…ケロ」
爆豪 「あ?何言ってんだテメェら」
あなた 「私みんなの前でも笑うよ??」
切島 「いや、それにしたって……なあ?」
緑谷 「かっちゃんの前だと百合野さんはよく笑っている気がするよ」
爆豪 「んだとクソデク!!!!」
あなた 「そんなことないのにぃ」



爆豪 「テメェも俺のこと舐めてんのか、あ゛?!」



あなた 「え?いつもすごいなあって思ってるよ?」



爆豪 「〜〜〜っ!!!!!」

爆豪くんは急に黙りこくってしまった。


肩をわなわなと揺らしながら










皆 「(この2人……もしかしてイケるのでは…)」