第10話

不器用
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2020/05/19 09:34
あなた 「……んぅ」
視界に広がるのは見覚えのある天井。

肩まで掛けられた白い毛布。

ここは……保健室??

あなた 「そっか…私また……」
?? 「…起きたんかよ、」
あなた 「ふぇっ!?あっ、爆豪くん!!?」


寝ていて気づかなかったのか

ベットの足元のほうを見ると

見慣れたパイプ椅子に爆豪くんが座っていた

あなた 「なんで…爆豪くんがココに」
爆豪 「あ?テメェ運んだからに決まってんだろ」
あなた 「えぇ!!そんな…2回も…ごめん、」
爆豪 「…謝んなっつってんだろが!!」
あなた 「ひっ…あ、ありがとう。」

しばらく沈黙が流れる。

爆豪くんは窓の外を眺めているようだった。

こうして見ると…顔整ってるなあ。

もしかすると 黙っていれば

焦凍くんと張り合えるイケメンさんなんじゃ…

あなた 「あ!そう言えば戦闘訓練!!」
爆豪 「あ゛!?」
あなた 「えっ…と、飯田くんは大丈夫かなって。瓦礫で危なかったから……」
爆豪 「メガネのことかよ…別になんともねぇわ」
あなた 「はぁ~、良かったぁ〜」
爆豪 「…………」
あなた 「ああっ!!緑谷くんは!?」
爆豪 「チッ…クソナードのことかよ!!」
あなた 「だって…心配で……」
爆豪 「テメェと同様、ここに運ばれたがテメェより早く起きて教室行ったわ、」
あなた 「…爆豪くんは、なんとも、ない?」
爆豪 「テメェ…俺がクソナードに怪我負わされたとでも思ってんのか!?あ゛あ゛?!!」
あなた 「!!……そっか、そうだよね、安心した。」




また沈黙が流れる。


爆豪 「チッ…」
あなた 「……爆豪くん、さ……」
爆豪 「あ゛ん!?なんだよ!!」
あなた 「名前で、呼んでくれない…の?」
爆豪 「…………は」
あなた 「さっきから私のこと"テメェ"って。その前はモブ女だったし……」
爆豪 「んなもん俺の勝手だろが!!」
あなた 「……そうだよね、ごめん。」



目線を爆豪くんから自分の手に向ける。

やっぱりクラスの仲間である爆豪くんには

これから先 名前で呼んでもらいたかった。
爆豪 「……チッ、クソがぁぁあああ!!!」
あなた 「えっ…ど、どうしたの??」



すごいしかめっ面……。

今にも怒りで飛びかかってきそうだ。

爆豪 「呼べばいんだろ!呼べば!!!!!」
あなた 「でもっ無理しなくていいよ…」
爆豪 「あ゛あ゛?!俺に無理なことなんざねぇ!!」



あなた 「……ふふっ」
爆豪 「何笑ってやがる!!!」
あなた 「だって……ふふっ」


爆豪くんは周りから恐れられてる。

それは日頃の素行や態度からだろう。

私もはじめは怖いと思った。

でも今はもう………違う。

爆豪くんは やさしい人だ。

入学してまだ日が経っていないけれど

この人は誰よりも真っ直ぐな人なんだと思う。

ただ口が悪いだけで。


爆豪 「…もうなんともねぇなら俺は帰る」
あなた 「そっそう言えばなんでココにいてくれたの?運んでくれたのは有難いけど、もう下校時間だし早く家に帰んなきゃ…」
爆豪 「んなもんどうでもいいだろが!!俺は帰る!!」
あなた 「そっ、か…爆豪くん、ありがとう!!」


爆豪くんは足元に置いてあったであろう

通学バッグを肩に掛けると出入口のドアに

足を向ける。
爆豪 「……それと」
あなた 「??」
爆豪 「…教室1回戻れや…女共が……」
あなた 「みんながどうしたの…?」



なんだろう‪…それにしても

すっごい顔してるよ?爆豪くん。

爆豪くんは眉間にシワを寄せたまま

体勢はドアの方を向いて
爆豪 「……っ、、百合野を待ってる…」


……そう一言だけ呟いた。



あなた 「…プッ 、あははははっ」
爆豪 「なに笑ってやがる!!テメェが呼べっつったんだろがァ!!!」
あなた 「そっ…そんな顔しなくても…ふはっ」
爆豪 「うるせェ!!あとは勝手にしやがれ!!」




バンッ


そう言うと爆豪くんは保健室から出ていった。

すごく不機嫌そうな顔のまま。

彼は完璧超人なのかと思っていたが

案外不器用らしい。少し親近感が湧いた。





あなた 「よしっ、体調は平気だし、そろそろ私も教室戻るかぁ〜!!」