第9話

戦闘訓練 その後
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2020/05/18 13:18
緑谷くん。私すごい個性なんかじゃないの。
ただ勝手に願って

自分の体力削って

使いすぎると命に関わることだってある。
人に迷惑かけっぱなしな個性だ。

今だってもう危ない。

自分の体力が底をつくところまできてる。

飯田 「さあ百合野くん!かかってきたまえ!」
あなた 「ははっ…じゃあ、行くよ!!」


虚勢を張ってでも勝たなくては。

ヒーローになるための第1歩。

自分のために、そして……


姉のために。



あなた 「飯田くん……!!」
飯田 「むっ!?」
あなた 「私…ひとりで勝つ気ないよ。」
飯田 「なっ……」





バァンッッッッ






強烈な爆発音とその衝動で起きた風が襲う。



作戦通りだ。




あなた 「……飯田くんの動きを封じて!、」



緑谷くんの爆発によって出来た瓦礫に

向かって願う。まだ宙に浮いていたそれは

飯田くんを目掛けて落ちていった。




瓦礫の落ちる方向がたまたま変わった。

いや、私の個性によって変わった。




ズキッ、










まただ……!!
ダメだ。もうそこに目標はある。

あとは私が触れれば……


懸命に頭痛と戦いながらも

足を全力で回した。




あなた 「……タッチ!!!」





その瞬間、終わった安堵で体が崩れた。





どこかのスピーカーから


ヒーローチーム 勝利!!!!!


と脳内に響いてくる。




ああ、良かった。勝てた。


私が足を引っ張らずに緑谷くんと勝てた。


安心したのもつかの間。




いつの間にか 視界はボヤけ、


私は気を失った。

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