第11話

心配
1,050
2020/05/19 13:34
リカバリーガールが戻ってくるまで待とうと

ベッドから立ち上がりテーブルの方を見ると

置き手紙のようなメモ用紙を見つけた。
"職員会議に出てくる。体調が良くなったら報告せずに下校してよし。"
とのことだったので

ベッドの布団を綺麗に畳んでシーツを直すと

お言葉に甘え、そのまま保健室をあとにした。

あなた 「…まだみんな残ってるかな、」

時刻はすでに4時をさしていた。

本来ならばもう下校しなくてはならない時間だ。
教室の扉を開けると_________

麗日 「ああああああ!!あなたちゃあああん!!」
あなた 「わっ!!お茶子ちゃん!?」
教室に入った瞬間、

すぐお茶子ちゃんに飛びつかれた。結構強めに。

蛙吹 「あなたちゃん、体調はもう平気なのかしら?」

梅雨ちゃんにも声をかけられた。


教室を見渡したらほとんどのクラスの人は残っていた。

あなた 「うっ、うん。平気だよ!」
八百万 「あなたさんが無事で良かったですわ。ホントに心配しましたのよ?」
あなた 「…みんなに迷惑かけちゃったよね、ホントにごめんなさい。」
芦戸 「あなたが謝ることじゃないって!!」
葉隠 「そうだよ!!迷惑だなんて思ってる人1人もいないんだから!!」
あなた 「あっ、ありがとう…!!」


みんな優しい人たちばかりで本当に有難かった。

心の底から雄英に入って良かったと思えた。

A組女子で固まって話をしていると____


?? 「百合野!!さっきの訓練!漢らしくてカッコよかったぜ!!」
あなた 「ひぇっ!?あ、ありがとう……」

急に赤髪の男の子に声をかけられた。

切島 「あ、まだ名乗ってなかったな!!
俺は切島鋭児郎!よろしくな百合野!!」
あなた 「切島くん…!よろしくねっ。」


?? 「ああっ!!切島だけずりぃぞ!!」
?? 「俺だって女と話してぇ!!」

耳郎 「ったく…コイツらは…」


いかにもチャラそうな金髪の男の子と

可愛らしいブドウみたいな髪をした男の子。

そういえばクラスにいたかも。


上鳴 「俺、上鳴電気!!このあとお茶でもどう??」
峰田 「なぁ!?俺は峰田実だ!!ところで百合野は
何カッp……


ブスッ

峰田 「うぎゃああああああああ!!!」
あなた 「えっ…!あ、響香ちゃん!?」


突然峰田くんにイヤホンのようなものが刺さった。

その先にいたのは響香ちゃんだ。

耳郎 「あなた…コイツらには気をつけな。」
上鳴 「なんだよ耳郎!!コイツ"ら"って!」
耳郎 「あんたも含まれるに決まってるでしょ!?」
峰田 「なんだとぉ!!俺なんもしてねぇじゃんか!」
耳郎 「あなた、聞く耳持たなくていいからね」
あなた 「えっ……そ、そうなの?」

私の目の前で騒いでいるクラスメイトたち。


八百万 「お下品ですこと…!!」
あなた 「……ふふふっ」
皆 「!!!」
あなた 「えっ…どうしたの?」
切島 「百合野って…いつも落ち着いてるっつーか、
なんか、笑ってるの初めて見たわ」
芦戸 「あなたの笑顔めっちゃ可愛いよ!!」
峰田 「これが…ギャップ萌えってやつか!!」
あなた 「そんなことないと思うけど……」


自分では結構笑っている方だと思っていた。

でも確かに思い返せばみんなの前では

緊張して表情が硬かったかもしれない。

それなら、いつ笑って__________


あなた 「あ、私…爆豪くんといるときは結構笑ってたかも……?」
麗日 「えっ!?!爆豪くん!!?」
葉隠 「なんか…意外だね!!」
上鳴 「そうでもなくね?さっきも百合野が倒れたとき爆豪が1番に駆けつけてたし。」
あなた 「……え、そうなの?」
八百万 「そうですわ、爆豪さんがあなたさんを保健室へ連れていったんですもの。」
あなた 「それは聞いてたんだけど……」


まさか爆豪くんが…。

入学して日が経っていないのに

彼には助けてもらってばかりだ。

あなた 「あ!そう言えば緑谷くんは??」
麗日 「デクくんは…あれ?いない??」
芦田 「緑谷なら結構前に出て行ったよ?なんか爆豪追いかけてる感じだったけど、」
あなた 「そっかぁ、お礼言いたかったのに、」
切島 「それにしても…緑谷も百合野もホント危なかっしいよなぁ」
八百万 「御二方だけですわ。保健室をすでに2回も利用なさってるなんて……。」
あなた 「緑谷くんも体力テストで怪我したんだっけ??」
上鳴 「そうだぜ!!あいつ自滅してんだから!個性めちゃくちゃ強そうなのになあ〜」
あなた 「なんか色々大変そうだね…」
八百万 「それはあなたさんも同じですわ!
ご自身の身体をもう少し気遣ってください!!」
あなた 「ごめん……なさい、」
切島 「まぁまぁ無事ならいいじゃねぇか!
もう下校時間過ぎてるし帰ろうぜ??」
耳郎 「そうだね、4時半まわってるし」
あなた 「ほ、ほんとだ!!みんな時間取らせちゃってゴメン!!」
蛙吹 「いいのよ。みんなあなたちゃんが心配だったんだから」
麗日 「明日からまた頑張ろーう!!」




入学して2日。怪我をしてばかりだが

こうして今日も平和に幕を閉じた。

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