第14話

鈍感
901
2020/05/20 11:35
轟 「どうした?あなた」



焦凍くんが振り返って私を見つめる。

私は服の裾を握りしめながら

あなた 「えっと…だから、爆豪くんは凶暴に見えるかも、しれない、っけど……!!」



これだけは言いたかった。

あなた 「本当は優しい人だよ…!!いつも私を助けてくれるしこの前だって……、!」


夢中になって気づかなかったが

横を通り過ぎる人からの視線が痛い。

でも爆豪くんのことを悪く言われるのは

なぜか嫌だった。少し心が痛い。


轟 「……わかった、確かにそうだな。」


焦凍くんは私の前に立つと


轟 「ほら、行くぞ。」




私の手首を掴んで歩き出した。




あなた 「ちょっ、え!?」
轟 「……なんだ?」
あなた 「その、て、手!!」
轟 「あぁ、あなたが危なかっしいから。」
あなた 「っ、そんな、私犬じゃあるまいし一人で歩ける……!!」
轟 「そうか、、わりぃ。」
あなた 「(この天然たらしは……、)」




昇降口に着くと焦凍くんは急に立ち止まった。

そして振り返って私の目線をしっかり捕らえて

轟 「なぁ、あなたって爆豪のこと___」
あなた 「わぁ!お茶子ちゃんおはよう!」
麗日 「あなたちゃん!!おっはよー!!」
麗日 「轟くんもおはよう!!」
轟 「……あぁ、おはよう。」


さっき焦凍くんは何を言おうとしていたんだろう。


あなた 「ねぇ焦凍くん、さっき何を___」
轟 「わりぃ。なんでもねぇ。」
あなた 「そ、そう?ならいいんだけど。」


なんかさっきから焦凍くん少し変……?

なにかあったのかな……??





<轟side>
【轟side】






あなた、爆豪を庇ってたな、

しかも普段は出さない大きな声で。

あんなの気づくなって言われるほうが難しい。

本人は気づいていないようだが

あれは少なくとも爆豪に好意があることが

見え見えだった。むしろ分かりやすすぎる。


俺は女に手を出す趣味はねぇ。

生まれてこのかた彼女なんていたことがないし

ずっと修行の身だった。そんな暇がない。

でも初めて1人の女性に興味が湧いた。

きっかけはなんでもない。

いわゆる一目惚れってやつなんだろう。

いや、クラスにいたときは思わなかったから

実際には違うかもしれないが。

初めてあなたと一緒に帰った日

アイツの笑顔を見たとき、不覚にも

胸の動悸がおさまらなかった。

屈託のない純新無垢な笑顔。

それは、あまりにも綺麗だと思った。




あなたは優しすぎる。

俺がこうして迎えに行くことに何一つ

嫌な顔を見せない。むしろ心配までしてくる。

どうしてこうも人のことを優先出来るのだろう。

俺からしたら考えられないことだ。

多分、今まで俺が出会ってきたなかで

1番心が綺麗なんだ。

だからこそ俺にとっては

眩しすぎるくらい手が届かない。


だからこそ 俺が奪いたい。














【爆豪side】



朝からウザってぇもん見せつけてくんじゃねぇよ。

半分野郎もムカつくがアイツも大概だ。

なんでこの俺がアイツにイラつかせられなきゃ

いけねぇんだよ。……クソっ。

ほんっとバカ正直すぎてあつかましい。

落ち込んだと思ったらすぐ笑ったり

コロッコロ表情変えやがって……


ああああああ うぜぇぇえええ!!!!

考えるだけ馬鹿馬鹿しい。

俺にとっちゃどうでもいい奴のことだ。

あんな女俺にとっては関係ない。

入学前からたまたま関わってただけだ。

クラスが同じだろうが知らねぇ。

俺はここで1番になる。

そのためには誰だろうと蹴落とす。

それだけだ。