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第16話

番外編 (戦闘訓練 爆豪side)
956
2020/05/23 09:11
爆豪 「負け……た…」

オールマイトによって

ヒーロー側の勝利が知らされた

つまりデク&百合野チームの勝ちだ
負けたことによる焦りと不安
しかしそれはある一言によってかき消された




飯田 「百合野くん!?大丈夫か?しっかりしろ!!」




上の階から聞こえるクソメガネの声

俺は気がついたら百合野の傍に駆けつけていた


ぐったりとして動かない百合野

目を瞑ったまま苦しそうな姿だった


飯田 「!!爆豪くん!!オールマイトを!!」


んなの言われなくてもわかってるわ…


爆豪 「どうせモニターで見てる。すぐ来んだろ」
飯田 「しかし…試験監督をしているオールマイトに
百合野くんを運ばせるわけにはいかない」
爆豪 「あ゛?んなの……」
飯田 「僕が連れていく。だから爆豪くんは伝えておいてくれないか。」




は?






爆豪 「……俺が運ぶ」
飯田 「しかし先程の戦闘で疲れているだろう!!ここは僕に任せて……」
爆豪 「俺が行くっつったの聞こえなかったのかテメェ!!!!」
爆豪 「ゴチャゴチャ言ってねぇで任せやがれ!!!」



クソメガネは口を開けたままだ



そんなに俺が人助けしちゃわりぃのか



飯田 「……わかった、任せる」
飯田 「しかし安全にな!!あまり頭を揺らすようにしては危ないからな!!!」
爆豪 「わかってんだよクソメガネ!!」


肩と膝の後ろに手を回す。

そのままの状態で立ち上がる。

コイツはまだ意識がないようだった。



爆豪 「…なんでテメェのことは考えねぇんだよ」


飯田 「それでは爆豪くん!!頼んだ!!!あとは俺に任せろ!!」
爆豪 「うっせぇ黙れ」





ここから保健室までの距離は遠い。

かと言って個性を使って運んだら

コイツの体調に影響が及ぶ。

仕方ねぇ……歩いていくしかねぇか




爆豪 「……馬鹿なんかよテメェは」




毎度毎度コイツは危ない目にあう

体力テストのときだって

入学式の日だってそうだった

気づけば倒れているくらいの勢いだ
だが今回は自分のせいで倒れたわけじゃねぇ

この戦闘訓練に勝つため、

つまりデクを助けるために個性を使った

俺の爆破を避けるために体力を削った

コイツの個性のことはクラスで女共が

話していたのを小耳に挟んだ

ほんとにめんどくせぇ個性だ


爆豪 「なんで自分じゃねぇやつのために使うんだよ」


先程よりは苦しくなさそうな百合野に向かって呟く

当然聞こえてはいない


俺だったらありえねぇことだ

他人のために個性を使うなんて______

ましてやコイツの個性は自分の体力と

引き換えに、それも1日3回までしか使えない

この後どんなことがあるかもわからねぇのに

後先考えず目の前のやつを助けようとした



爆豪 「ヒーローの資質ってやつか……」





少なくとも自分にはないもの

思えばコイツは

気持ち悪ぃぐらい バカ正直だ

たまに頑固で譲らなかったり

そのくせ相手のこと気遣って様子を窺ったりする

思ったことどストレートに伝えてきたり

いっつもへらへら笑いやがって






爆豪 「……うぜぇんだよ」





なぜかは分からない

クソメガネが連れていくと言い出した時

無性にイライラしている自分がいた




きっとあれだ______













俺はコイツのことを

少なくともどこか「敵わねぇ」と思ってんだ

戦闘技術 学力 体力 そんなんじゃねぇ

分からねぇがそれとは違う何か_______

そんなやつだから

こんなときだとしても俺が優位に立つ

そしてそれを証明する




そのためにあのメガネは必要ない

俺が借りを作ることで成り立つのだ









そうだ

そうに違いない

俺はコイツが心底ムカつくんだ