自分でも分からない。知らず知らずのうちになぜか謝っていた。
『私が言わなかったら言えた』…。どういうこと?祐基には聞けなかった。
そう言って、祐基は帰って行った。
私は、祐基が出ていったドアを見つめながら、そう呟いた。
翌日、私はいつもと同じように、学校へ行く仕度をして、家を出た。
すると、隣の家から祐基が出てきた。
優理花が私を迎えに来た。
あれ、私、優理花と普通に話せてる…?
優理花が、祐基を見送ってから、そう言った。
どうやら、優理花は拓弥が私のことを好きということを知っていて、そう言ったわけではないみたいだ。
私だけ欲張りだ。…優理花が好きな人に、拓弥に告白されたのに、拓弥を振って、晃一のことを好きになるとか。そして、それを祐基に相談するなんて。
私は最低だ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。