第12話

ごめんね…
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2018/07/15 09:35
村田祐基
村田祐基
そっか…晃一のことが…
自分
…ごめんね
村田祐基
村田祐基
え?何が?
自分でも分からない。知らず知らずのうちになぜか謝っていた。
自分
あ、いや、えっと、なんていうか、祐基に相談?しちゃったから…
村田祐基
村田祐基
あー、全然いいよ!応援してるね!
自分
…ありがとう!
村田祐基
村田祐基
うん…
(失恋しちゃったな…)
自分
で、祐基こそ、好きな人いないの?
村田祐基
村田祐基
秘密!
自分
えー!私言ったのに!
村田祐基
村田祐基
まああなたが言わなかったら言えたけどね…
自分
え?
村田祐基
村田祐基
あっ、いや、なんでもない!
自分
え、そう?
(でもさっき確かに…)
村田祐基
村田祐基
うん!
(危ない危ない…)
『私が言わなかったら言えた』…。どういうこと?祐基には聞けなかった。



村田祐基
村田祐基
お邪魔しました~!
自分
またいつでも来ていいよ~!
村田祐基
村田祐基
ありがとう~!僕の第二の家にしようかな~(笑)
自分
いやいやいや(笑)
村田祐基
村田祐基
あ、明日もお仕事あるから学校に行けない!
自分
そっか~
(ちょっと残念)
村田祐基
村田祐基
ごめんね!もうすぐツアーがあるからその準備で忙しいんだ~
自分
そうなんだ!頑張ってね!
村田祐基
村田祐基
うん!ありがとう!おやすみ~!
自分
おやすみ!
そう言って、祐基は帰って行った。
自分
…みんなに会えないのか
自分
…祐基、どうしたのかな
私は、祐基が出ていったドアを見つめながら、そう呟いた。


翌日、私はいつもと同じように、学校へ行く仕度をして、家を出た。
すると、隣の家から祐基が出てきた。
村田祐基
村田祐基
あ、あなた!おはよ~!
(普通にしないと)
自分
おはよ!お仕事頑張ってね!
(本当は一緒に学校に行きたいけど、仕方ないよね)
村田祐基
村田祐基
…ありがとう!
(あなたちょっと悲しそう?)
佐倉優理花
あなた~!おはよー!あ、祐基くんだ!
優理花が私を迎えに来た。
村田祐基
村田祐基
おはよ~!
自分
おはよ!
佐倉優理花
祐基くん達は、今日もお仕事?
村田祐基
村田祐基
うん、ごめんね~!
佐倉優理花
全然!お仕事頑張れ~!
村田祐基
村田祐基
ありがとう!
自分
あの~…私のこと忘れてない?
佐倉優理花
忘れてた(笑)
村田祐基
村田祐基
あなたごめ~ん!
自分
いいよ(笑)
あれ、私、優理花と普通に話せてる…?
村田祐基
村田祐基
じゃあ僕そろそろ行くね!
自分
行ってらっしゃい!
佐倉優理花
行ってらっしゃ~い!
佐倉優理花
…拓弥くんには会えなかったな~
優理花が、祐基を見送ってから、そう言った。
自分
…会いたかった?
佐倉優理花
…うん、叶わない恋って分かってるけど、せめてファンとして好きでいたいからね~
自分
…叶わないの?
佐倉優理花
だって、この前『好きな人いない』って言ってたでしょ?それって、私のことも女子として見てないってことでしょ?
自分
…う~ん
どうやら、優理花は拓弥が私のことを好きということを知っていて、そう言ったわけではないみたいだ。





私だけ欲張りだ。…優理花が好きな人に、拓弥に告白されたのに、拓弥を振って、晃一のことを好きになるとか。そして、それを祐基に相談するなんて。




私は最低だ。

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