第13話

転倒
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2018/07/16 13:17
私の考えすぎなのかな。
拓弥と優理花と祐基への罪悪感で、だんだんおかしくなってきた気がする。
なんか、頭がボーッとして…











バタンッ。
私は床に倒れた。
佐倉優理花
あなた!あなた!あなた…
ぼんやりと聞こえる優理花の声が消えていき…意識が遠退いた。









佐倉優理花
…、…、あなた、分かる?優理花だよ!
目を覚ますと、優理花が心配そうに私を呼ぶ。
自分
優理花…?ここは…?
佐倉優理花
ここは、学校の保健室!授業中に、急に倒れたんだよ!
自分
あ…そうだった…
私は、ベッドから起き上がろうとする。しかし、目眩が私を襲った。
自分
うっ…
佐倉優理花
まだ起きない方がいいよ!1限目に倒れて、今までずっと寝てたんだから!
自分
今は何時…?
佐倉優理花
18時。そろそろ帰らないといけない時間。
先生
あれ、成海さん起きた?
保健の先生が入って来た。
佐倉優理花
はい!意識は大丈夫みたいですけど、体調があまり優れない感じです…
先生
そう…。成海さん、家にお父さんはいる?お兄さんでもいいけど
自分
私、独りっ子です…。お父さんは、仕事に行っているので…
先生
そう…。迎えに来て貰える男手があるといいんだけど…
佐倉優理花
あ、それなら、あなたの家の近所に、あなたと仲良い男子がいるんですけど、その人呼びますか?
先生
なら、その人でいいわね。佐倉さん連絡できる?
佐倉優理花
はい!あなた、誰呼べばいい?
自分
う~ん、一番力持ち…
佐倉優理花
じゃあ拓弥くん…?
自分
あ、拓弥はいいや…晃一か太陽…
佐倉優理花
じゃあ二人とも呼ぶね!
自分
…ありがと
脳がしっかり働いていないせいか、まだ言葉が途切れ途切れになる。
先生
一応ご両親にも連絡するわね
自分
あ、でも、どっちも家にいなくて…
佐倉優理花
私から連絡しておきます!あなたのお母さんの携帯と繋がってるので!
先生
じゃあお願い
自分
…優理花
佐倉優理花
ん?喉でも渇いた?
自分
…ううん…いろいろ迷惑かけちゃって…ごめんね
佐倉優理花
いいよいいよ!こんな時まで気を遣わなくていいの!
自分
…ありがとう



10分ほどして、晃一と太陽が来てくれた。
吉野晃一
吉野晃一
あなた!大丈夫か⁉
松尾太陽
松尾太陽
立てる?
先生
二人ともありがとう。30分前くらいに起きたばかりで、体が不自由だから、連れ添ってあげて。
吉野晃一
吉野晃一
分かりました
自分
…晃一…太陽…ありがとう
吉野晃一
吉野晃一
いいって!あなたはもうちょっと俺らを頼りな!
松尾太陽
松尾太陽
そうそう
自分
いたっ!
吉野晃一
吉野晃一
大丈夫か⁉
松尾太陽
松尾太陽
おんぶしようか?
自分
大丈夫…おんぶはいい
吉野晃一
吉野晃一
俺がお姫様抱っこしたろうか?
自分
…それは恥ずかしいよ
吉野晃一
吉野晃一
やんな!(笑)
松尾太陽
松尾太陽
俺の肩貸すよ
吉野晃一
吉野晃一
お前でかいからかがまへんとあかんやん(笑)
松尾太陽
松尾太陽
そうやな(笑)
自分
…やっぱりおんぶして貰っていい?
吉野晃一
吉野晃一
いいよ~、どっちにする?
松尾太陽
松尾太陽
晃一おんぶできる?(笑)
吉野晃一
吉野晃一
ちっちゃいって言いたいんか?(笑)
自分
…頑丈な方
吉野晃一
吉野晃一
太陽はヒョロヒョロやから、俺の方が頑丈やろ
松尾太陽
松尾太陽
ヒョロヒョロちゃうし(笑)
自分
…太陽に乗ると高いから、晃一にする
松尾太陽
松尾太陽
あー、怖い?
自分
…ちょっと
吉野晃一
吉野晃一
はいはい、乗りな~!
自分
…失礼します
私は、晃一の背中におぶさった。
晃一の背中は温かかった。

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