第5話

逆転
122
2018/07/20 02:53
「自作自演」…。
桃衣が言っていた言葉が頭から離れない。
桃衣
桃衣
…本当はね、織原くんのことが好きって言ったのも、織原くんから琉瑠果を守るためだったの
琉瑠果
琉瑠果
…桃衣
織原
織原
…あのさ、俺何もしてないよ?
桃衣
桃衣
…犯人はみんなそう言う
織原
織原
…まあ、振られたことは確かに落ち込んだけど、普通に考えて、好きな人をそんな風に守りたいとは思わないだろ
桃衣
桃衣
琉瑠果
琉瑠果
…桃衣は、どうして私にあんなことしたの?
桃衣
桃衣
…?私も何もしてないよ?
琉瑠果
琉瑠果
「いい気味」って笑ってるの見えたんだよ
桃衣
桃衣
…っ!
琉瑠果
琉瑠果
正直に言ってくれたらいいから
桃衣
桃衣
…お願い…先生には言わないで…私の信頼が…なくなる…
織原
織原
柳瀬の信頼なんか、とっくになくなってる
琉瑠果
琉瑠果
織原…
織原
織原
何がともあれ、親友を傷つけたことには変わりないよ
桃衣
桃衣
…織原くんって、もっと優しい人なのかと思ってた
織原
織原
俺は優しくなんてないよ
琉瑠果
琉瑠果
織原は優しいよ
織原
織原
え?
琉瑠果
琉瑠果
こんなに…私のこと、心配してくれた…私なんかじゃ勿体ないくらいのいい友達だよ
織原
織原
香月…
先生
そこの3人何してるの⁉授業中でしょ!
桃衣
桃衣
ごめんなさい…
琉瑠果
琉瑠果
二人は教室に戻ってて
織原
織原
香月は行かないの?
琉瑠果
琉瑠果
イジメっ子に…保健室にいろって言われたから
織原
織原
もうそんなの気にしなくていいじゃん
琉瑠果
琉瑠果
でも…
桃衣
桃衣
何かあったら、私が守るから
琉瑠果
琉瑠果
…うん
そして、私達は教室に戻った。
クラスの女子
あれ?琉瑠果ちゃんさぁ、体調悪くなって、保健室行ったんじゃなかった?
桃衣
桃衣
琉瑠果の体調治ったから。…後で話したいことあるから、屋上に来てくれない?
クラスの女子
え…分かった!
クラスの男子
香月大丈夫か?
琉瑠果
琉瑠果
あ、うん、心配かけてごめん
榊田
榊田
気にすんなって!
琉瑠果
琉瑠果
…ありがとう
先生
じゃあ3人が戻って来たから授業再開しますよ~
クラスの男子
ちぇー



休み時間。私は桃衣達が気になって、こっそりついてきてしまった。
クラスの女子
桃衣ちゃん、次は何する?
桃衣
桃衣
あー…その話じゃない
クラスの女子
じゃあ何?次は男子にも無視して貰う?
桃衣
桃衣
だからその話じゃないって言ってるじゃん!
クラスの女子
あ…ごめん
桃衣
桃衣
…あのさ、もう琉瑠果いじめるのやめない?
クラスの女子
なんで?
桃衣
桃衣
…私がみんなに一回愚痴言ったら、始まっちゃったけど、こんなことしても誰も楽しくないじゃん
榎木
榎木
そうだよね
唯一私を無視しないでくれていた榎木さんが言った。
クラスの女子
…私達は楽しいけど
桃衣
桃衣
は?
クラスの女子
人の可哀想な顔見るの、めちゃくちゃ楽しいよ?
桃衣
桃衣
何言って…
クラスの女子
あ、次は桃衣ちゃんをターゲットにする?香月さんもこっちの仲間に入れて
桃衣
桃衣
琉瑠果がそっちに入るわけ…
クラスの女子
分からないよ?桃衣ちゃんに散々裏切られたんだから
桃衣
桃衣
…そ、んな…
クラスの女子
ははっ、これであんたら二人の友情踏み潰せるね~!
桃衣
桃衣
いや、だ…嫌だ…!
女子達が桃衣の頬を摘まむ。
クラスの女子
あんたの味方なんか、もういなくなるんだよ~!…とりあえず今はここまでにしとくけど、次逆らったらどうなるか分かってるよね?
桃衣
桃衣
…!
女子達が笑いながら去っていく。














私は何も出来なかった。

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