これは、私と私の親友の物語。
柳瀬桃衣(やなせもえ)。私、香月琉瑠果(かつきるるか)は彼女と親友だ。
しっかり者の桃衣は、いつも私の世話を焼いてくれる。
織原は、桃衣の好きな人だ。私は、小学校からの付き合いだけど、男として見たことは一度もない。
桃衣と話をしていると、織原が教室に入って来た。
織原がこちらを向いた。
そう言って、織原は去って行った。
織原が歩いて行った。
放課後、部活を終えて、呼び出された屋上へ行った。織原は既に来ていた。
織原の声が少し震えている。何を緊張してまで言おうとしているのだろうか。
織原が私を抱き締めた。
その頃、桃衣がタイミング悪く、この状況を見てしまったなんて、この時の私が知るわけもなかった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。