キーンコーンカーンコーン
学級委員と美化委員……ってことはミナとサナ呼び出しかー。
あっ。昼休み1人だ。ぼっち飯じゃん。
~昼休み~
どこで食べようかな…。
教室だと嫌だし。トイレもちょっと…
そんなことを考えながら廊下をうろつく。
気づいたら4階の端っこまで来ていた。
4階の端っこの階段。
そこは唯一屋上へと繋がる階段だった。
屋上へのドアには南京錠がかけられていた。
私は少し落ち込みながら南京錠に手を掛ける。
ガチャンッ
外れないだろうと思っていた南京錠が音をたてて私の足下へと落ちた。
私はためらうことなく、屋上のドアを開けた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!