第42話

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2018/10/10 09:18
そのあとは暫く 紗季の寝顔を眺めていて
タクシーが来たので乗りこむ

寝ている紗季を抱えているからかギョッとした顔をされたがされただけだった。

(まぁびっくりするよな)

そして俺の住所を伝えて窓から見える景色を見入った 夕日が沈み空は紺色に包まれていた
俺の家について料金を払い 玄関に紗季の靴を脱ぎ捨てたボトっという音が廊下に響く

まだ紗季は目を覚まさない。
呼吸も落ち着いているし顔色もいい ただ俺の服を掴んで離さない

その縋る姿が愛おしいと感じる


それにニヤニヤとしながらベッドに紗季を寝かせる さて、これからどうしようかと思案する

なんか買ってくればよかったと少し後悔した

(栄養飲料?ゼリー?)

ガラッと自分家の冷蔵庫をあけるもほとんど空っぽだ 水くらいしかない。

(いつも紗季の家でご飯たべるもんなぁ)

俺は料理が出来ない。いやレシピでも見れば作れるからしれないけど紗季の料理が美味すぎて胃袋は完全に掴まれている自信がある。
他のどんな高級で美味しいと言われているのでも きっと満足出来ない

おれは紗季がいないと本気で生きいけるのかと思った瞬間だ


あ、アイツに連絡しておくか
電話帳を開く といっても連絡先が入っているのは片手で数えられる程度だ
そのうちの1人である従兄弟に電話をかける
いつも後処理を押し付けてる奴だ
アイツ自体はあまり好きじゃないが便利だから絡んでいる(使ってる)


数回コールがなった後
『はいはーい?』
「調べて欲しい奴がいるんだが 」
『まぁた、大志の地雷踏んだやつがいるのか』
「そうだな。で瀬戸 雷ていう奴 みつけたら捕まえて屋敷の地下にでも縛り付けといて 」
『まぁた厄介な奴を・・・紗季ちゃんは厄介者に好かれやすいな』
「ほんとにねっ…クク」
『怖っ自覚ある 』
「じゃそれだけだからヨロシクね」
『相変わらず冷た』

ブチッと通話を切る いつものことだから気にしない

従兄弟の燐夜はいわゆる裏家業のヤツ。
どこの組かは興味がないので覚えてないけど確か1番上の立場である頭 とかだった気がする
まぁコイツに頼めば完全にやつを潰せるということだ


ああ、楽しみだ。




ゆるりと口角が上がった

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