第45話

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2018/11/23 02:43
大志side



これが初めてじゃない。 でもこんなに荒れるのは初めてで少しの戸惑いを覚えた。それと同時にアイツへの殺意が腹の中を巣食っていた


紗季はモテる。あの容姿に雰囲気だって惹かれるものがあるのは理解ができる
だからこそ屑が寄ってきたりするのだ
襲われかけることもあったし 俺が少し席を立てば知らない男に腕を引かれていることもあった。

その度に紗季はこうなるのだ

俺から触れられることを避ける。そらが今回は拒絶までいった

──あのときのゾワッとしたものが背中を伝った
畏怖
焦燥感
喪失感

いつもの様に抱きしめて『大丈夫』と言うことすら出来なかった

そして、その後は決まってお風呂に入る。上がってきて目に入るのは痛々しい赤くなっている肌。
触られたところを必要以上に洗うのだ。紗季は
きっと今も ゴシゴシとあの白磁のような肌を傷つくまで洗っている。そして赤くなってリビングに戻ってきて「ごめんなさい」 と謝るんだろうな


──ガチャ

『大志、ごめんなさい』

ああ、ほら。やっぱり謝るんだ

『もう、大丈夫だよ』

そんな顔で何が大丈夫なんだ。

腕や首、足が赤く染まっている 湯上りのせいだったら良かったのに。腕からは少し血が出ていて 掻きむしったことがわかった。

それが痛々しくて、見てられなくて紗季を強く抱きしめる



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