足音をたてずにリビングに向かう
起きる前にご飯でも作っておこう
水をコップ1杯 のどに通す。
「ふぅ…」
とりあいず顔洗お
洗面所にいけば ビックリする光景
「ははっ」
首いっぱいのキスマーク。 鎖骨には噛み跡があるし…。 寝ている時につけられたのかな
それだけ、不安だったんだ。あれだけ荒れたのは初めてだったからビックリしちゃったし、
それに、私の声なんてもう届かない、聞きたくないのかと思って 怖かった。
私がきっと失う恐怖を持つのは 大志 だけ。
それより元凶の
お兄ちゃんは帰ったら1発殴ろ。
印を指でなぞれば 愛おしさが募っていく
赤くて、大志の存在を主張する。
これで喜ぶ私はおかしいのだろうか
ーーーーもっともっと欲しい。
どんどん貪欲になってゆく私。はしたない自分。
それでも 私は安心できる確かなものがまだ足りない。
鏡に映る自分は口が歪んでいた
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。