一応聞こえないように ため息をついたつもりがちゃんと聞こえてたみたい
「お前 なにため息ついてんの!?状況わかってる?」
もうめんどくさい。このキャラを被ったまま接するのも こいつらにそんな労力を使うのすらもったいない。
『分かってるけど。つまらない友情劇を目の前で見せられたらため息くらいつきたくなるわよ』
自分でも冷めていくのが分かる。
「っ!意味わかんねぇこと言うなよ!」
怒りでか顔が赤くなっていってる
ふふっ タコみたい
『だって、他の4人も大志に告白した人達でしょ?私、知ってるの。 』
「なに…それ_」
「なんで知って!?」
驚いてか目を丸くする5人組。
みんな同じ顔じゃんしてる
あぁ面白い。
私の中の小さな加虐心がどんどん膨らんでいく。高い自信とプライドをぐちゃぐちゃに踏み潰してあげたい そんな感覚。
『あれ?優里ちゃんは知らなかったんだ。友達なのに恋バナくらいしないの?表では応援してるとか言われたんだろうけど…あなたの知らないとこでは愚痴愚痴言われてるんだろうねぇ。 “可哀想”に』
「ヒッ!。」
「何こいつ!私もう帰るから!」「わっ、わたしも!」
次々と帰っていく。よっわ・・・。
残っているのは 優里ちゃんと凛ちゃんだっけ?2人だけ。
優里ちゃんは泣いて座り込んでもう無理か。
もう、終わっちゃった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。