第27話

Infection #27
4,358
2018/08/26 07:49
あの水難事故から3日。
その日と次の日くらいまではクタクタだったフェロー達もやっと復活したみたい。
だってほら、灰谷先生はオロオロしながら動き回ってるし、名取先生は相変わらず携帯いじってるし、横峯先生はルンルンで可愛い髪飾りつけてるし、雪村さんはそんな3人を見て呆れ顔してる…。
まぁそれが日常だったから、なーんかほっこりするんだけどね。

…あ、白石先生だ!
ー医局でー
秋山眞子
おはよ!
白石
白石
…あ、おはよう。
秋山眞子
(白石のことを見て)…どうしたの?
元気なくない?
白石
白石
そ、そう…?
ちょっと疲れてるだけよ、大丈夫…!
秋山眞子
そう…。
緋山
緋山
(医局に入ってきて)…おはよ。
秋山眞子
あ、緋山先生おはよ!
秋山眞子
…ねぇ、緋山先生も元気なくない?
2人してどうしちゃったの…?
緋山
緋山
…いや、朝から胃が痛くて。
白石
白石
え、緋山先生も…?
私も朝からお腹の調子がちょっと…。
秋山眞子
ちょっと、2人して大丈夫…?
無理しないでよ?
白石
白石
…大丈夫よ!ありがとね。
ほら、カンファレンス行こ?
秋山眞子
うん…。
何かあったら言ってね?
…緋山先生、行ける?大丈夫?
緋山
緋山
あぁ、うん…。行こ。(医局から出る)
今日はちょっと気にして見とかなきゃかな…。
何かあったら困るし、あの2人なら無理しかねない。
…藍沢先生にも相談しようかな。
ーカンファレンス後ー
秋山眞子
…あ、藍沢先生!
藍沢
藍沢
…何だ。
秋山眞子
いや、ちょっと相談があっ…
(藍沢の顔を見て)ねぇ、顔色、悪くない…?
藍沢
藍沢
そんなことはない。
…で、相談って何のことだ。
秋山眞子
…あ、いやぁ。
何でもない、大丈夫…!
私は早足で会議室を出た。
何これ。何か今日、みんな変じゃない…?

…ちょっとひと肌脱ぐか。
ー13:00ー
秋山眞子
あれ、緋山先生は…?
名取
名取
あぁ、何かトイレ行くって言ってましたよ。
雪村
雪村
確か白石先生もだったと思います…。
秋山眞子
…ついに来たか。
名取
名取
え?
秋山眞子
あ、いやぁ、何でもない…!
ありがとね。
思ってたより早かったな…。急がなきゃ。
…えっと、どこのトイレだろ。
白石
白石
…わ。あれ、眞子ちゃん…。
秋山眞子
白石先生…!
…ちょっと来て!
白石
白石
えっ…!ちょっと!
秋山眞子
あ、緋山先生!!
緋山
緋山
…え、何。
秋山眞子
ほら、来て!こっち!
緋山
緋山
え、ちょっと…!
私は2人を連れてあるところにやって来た。
白石
白石
え…。内科…?
秋山眞子
そうよ、内科。
(2人を見て)…なんか問題でも?
緋山
緋山
いや…問題も何も…。
何で私たちをこんなとこに連れて来たの…?
秋山眞子
いや、どう見たって2人とも体調悪いでしょ!(笑う)
なんとなく見てて胃腸炎かなんかじゃないかと。
だから予約とっといた。それだけ。
白石
白石
それだけって…。
…あ、ちょっと!
秋山眞子
ごめん、まだ連れてこなくちゃいけない人いるから!
じゃあね、また後で来るから!(救命の医局に走って行く)
緋山
緋山
あと誰連れて来るつもりなんだろう…。
白石
白石
さあ…。
…あ、緋山先生。呼ばれちゃった…。
行こ、っか…。
あとはあの人。
…ったく、どこいったんだか。
まぁ忙しい人なのはわかるんだけどこんなに会えないもんかね…。
秋山眞子
…あ!
いたぁーーーーー!
藍沢
藍沢
…!
藍沢
藍沢
…何なんだ。
秋山眞子
ほら!行くよ!(藍沢を引っ張って行く)
藍沢
藍沢
…おい!どこ行くつもりだ…。
秋山眞子
内科。
藍沢
藍沢
…は?
秋山眞子
だから内科。
いいから!行くよ!
その後私は拒否する藍沢先生を内科に連れて行った。
1時間後、私のPHSが鳴った。
内科の先生から。3人とも見事に胃腸炎だったらしい。今は3人とも救命の仮眠室で休んでるって。
とりあえず重症ではないから問題はないそうだが、安静にするようにとのこと。
じゃあ今日は…。
ー仮眠室でー
秋山眞子
よしっ、3人とも帰ろう…!
白石
白石
え、眞子ちゃん…?
緋山
緋山
(起き上がって)どういうこと…?
藍沢
藍沢
(起き上がる)
秋山眞子
(帰る準備をしながら)ほら、3人とも看病できる人家にいないでしょ?
だから今日から治るまでは家に来て?
白石
白石
え…?眞子ちゃんの家ってこと…?
秋山眞子
ん、そう!
少しでも早く復帰してもらわないと困るし。(笑う)
緋山
緋山
フッ…。(笑う)
藍沢
藍沢
…料理、できるんだろうな。
秋山眞子
えっ、そこ…?(笑う)
大丈夫、意外と自信ある!
白石
白石
…でも、本当にいいの?
秋山眞子
うん。(笑う)
ほら、行くよ!
私は3人を車に乗せて自分の家に帰った。
…たまにはこういうのもいいかなって思って。
まぁ、胃腸炎の患者を3人同時に診ると思えばいいか!

…いや、それ結構大変かも。
ー眞子の家に到着するー
秋山眞子
…よし、とりあえず全員寝かせたし。
おかゆでも作って持って行ってあげよう。
おかゆを作っている最中、電話が鳴った。
冴島さんからだった。
秋山眞子
(電話で)もしもし、冴島さん?
どうした?何かあった?行こうか?
冴島
冴島
(電話で)秋山先生、それはこっちのセリフです!
もう、何で言ってくれなかったんですか?
私だって何か手伝えたかもしれないのに…。
秋山眞子
(電話で)あ、そういうことね。(笑う)
いいの、もし感染したりでもしたら大変でしょ?
冴島
冴島
(電話で)それは秋山先生だって一緒でしょ?(笑う)
…でもとりあえず頑張りすぎないで。
何かあったら飛んで行きますから!
藤川
藤川
俺も行くぞ!!!
冴島
冴島
(電話で)…聞こえました?(笑う)
秋山眞子
(電話で)あぁ、うん…!(笑う)
…ありがとって伝えといて。
そういえば、2人は大丈夫そう?
具合悪かったりしない?
冴島
冴島
(電話で)…はい。(笑う)
私たちは大丈夫。わざわざありがとう。
それじゃ、おやすみなさい!
秋山眞子
(電話で)そっか、ならよかった!
じゃ、おやすみ。
緋山
緋山
(寝室から出てきて)…気持ち悪い。
秋山眞子
わ、緋山先生!ちょっと待って…!
あぁ…。大丈夫…?
白石
白石
ウゥ…。
秋山眞子
わ、こっちも…!
白石先生ちょっと待ってて!緋山先生トイレ連れてったら行くから!
藍沢先生は…。
藍沢
藍沢
(起きてきて)水…。(よろける)
秋山眞子
あぁ!…大丈夫?
とりあえず座ってて!後で持ってく!
医者がこんなにも同時にウイルスにやられるもんかね…。

ま、とりあえず明日はみんなお休みかなぁ…。
フェロー達に頑張ってもらわなきゃ。ごめんね、最近忙しくて…。
秋山眞子
(寝室に入って)…やっと落ち着いたか。
秋山眞子
とりあえず、早く良くなってください。(笑う)
おやすみ。(電気を消してドアを閉める)

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