第11話

Destiny #11
2,907
2018/07/31 14:23
おととい退院した。そして今日から仕事復帰…!
さすがにヘリ担当ではないけど。迷惑かけた分頑張らなきゃ。
…あ、でも無理はしない程度にしなきゃね。
また誰かさんに怒られちゃうから。
ーカンファレンスでー
秋山眞子
本当にご迷惑をおかけしました…!(お辞儀をする)

えっと…今回、現場で意識を失ってしまったり、胸痛があったりしたのはストレス性の発作だということがわかりました。
…今のところこの発作に対する具体的な治療法はありません。
なのでこれからは体調を見ながらにはなりますが、仕事は今まで通りさせていただきます。よろしくお願いします。(お辞儀をする)
橘
そういう事だ。みんな、協力してやれよ。

…よし、じゃあカンファレンス始めるか!
ー医局でー
秋山眞子
ねえ、横峯先生。今日のヘリ担当誰だっけ?
横峯
横峯
えっと…。あ、緋山先生と名取先生と雪村さんです!
秋山眞子
ふーん、そっか…。
白石
白石
まさか、あわよくばヘリに乗ろうだなんて思ってないよね?眞子ちゃん?(笑いながら眞子の方に手をおく)
秋山眞子
えっ…ま、まさかぁ!(苦笑い)
藍沢
藍沢
図星か。
秋山眞子
いや、長い間仕事できなかったから早くヘリ乗りたくて…。
大丈夫、よっぽどのことがない限り代わりに乗るなんてことないでしょ。(笑う)
白石
白石
まあそうね。(笑う)
復帰初日から飛ばしすぎないでよ?
じゃ、私外来行って来るから。(医局を出る)
秋山眞子
うん、いってらっしゃーい!
ーホットラインが鳴るー
藍沢
藍沢
翔北救命センターです。
消防
北町消防よりドクターヘリ要請。
歩道橋の近くで女性が倒れているとの通報がありました。出動できますか?
緋山
緋山
(走って来て)ヘリ飛べる?
名取
名取
(走って来る)
秋山眞子
(電話を切って)…大丈夫、飛べるって。
藍沢
藍沢
大丈夫です、出動します。
詳細入り次第連絡お願いします。
緋山
緋山
雪村、名取、行くよ。
雪村
雪村
はい!
名取
名取
(頷いて走り出す)
ーヘリが戻って来るー
秋山眞子
患者さんどんな状況?
緋山
緋山
落ち着いて来たけど油断はできない。
とりあえずそのままICUに運ぶ。
藤川
藤川
ベット空けてある。
白石にはこっちから連絡しておくよ!
緋山
緋山
ありがと、頼んだ。
ー藍沢の携帯がなるー
藍沢
藍沢
(電話に出て)藍沢です。
白石
白石
(電話で)藍沢先生、私。
ICUで杉野さんが急変したの。手が足りない。お願い、来てほしい…!
藍沢
藍沢
(電話で)わかった。藤川も連れて行く。
藤川
藤川
ん?どうした?
藍沢
藍沢
ICUで杉野さんが急変したらしい。
秋山、お前は医局にいてくれ。俺と藤川はICUに向かう。
秋山眞子
…!わかった。こっちは任せて。
藍沢
藍沢
藤川、行くぞ。
藤川
藤川
おう!
雪村
雪村
…!緋山先生!血圧下がってます…!
緋山
緋山
まずいな…。名取、オペ室の空き確認して。
名取
名取
…わかりました!
秋山眞子
緋山先生、今ならオペ室空いてる。
手続きはしておくからそのまま行って!
緋山
緋山
助かる。お願い。(ストレッチャーを押してオペ室に行く)
ー医局でー
秋山眞子
(電話で)…はい、はい。お願いします。(電話を切る)
秋山眞子
ふぅ…。とりあえず一段落したわ。
横峯
横峯
あ、お疲れ様です!
なんか色々と立て込んでるみたいですね…。
秋山眞子
そうね…。
ーホットラインが鳴るー
横峯
横峯
…!
秋山眞子
翔北救命センターです。
救急隊員
東岡中学校の部活動中に熱中症の症状を訴える生徒が多数出た模様です。出動できますか?
CS
(グッドサイン)
秋山眞子
(頷く)
秋山眞子
大丈夫です、出動します。
秋山眞子
(携帯で)緋山先生、ヘリ行ける?
緋山
緋山
(携帯で)ごめん今手が離せない。
雪村は行かせるわ。
秋山眞子
(電話で)わかった。
秋山眞子
(電話で)白石先生、そっち誰かヘリ行ける?
白石
白石
(電話で)…ごめん、無理そう。
緋山先生も無理そう…?
秋山眞子
(電話で)うん…。雪村さんは来れるみたいだけど。
秋山眞子
(電話で)…私と横峯先生と雪村さんで行く。
白石
白石
(電話で)…大丈夫なの?
藍沢
藍沢
(処置をしながら白石の方を見る)…。
秋山眞子
(電話で)大丈夫。無理はしない、約束する。
白石
白石
(電話で)…わかった。気をつけて。
秋山眞子
(電話で)行ってくる。
秋山眞子
横峯先生、雪村さんが戻って来たら3人でヘリで現場に向かう。
準備して。
横峯
横峯
…は、はい!
雪村
雪村
(走ってきて)すみません、戻りました。
秋山眞子
大丈夫?すぐ出発するけど。
雪村
雪村
大丈夫です。
秋山眞子
よし…行こう。
横峯
横峯
はい!
この時はまだ分かっていなかった。
誰かを思いやることはこんなにも辛いことで、思いが届かないことはこんなにも悔しいことだっただろうか…。
そして、悩み、苦しむ人を前にして何もできないことはこんなにも胸が締め付けられるようなものだったのかと。

運命は
































変えられないものなのだろうか。

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