第6話

Premonition #06
3,097
2018/09/03 01:58
秋山眞子
すみません、今戻りました。
白石
白石
…大丈夫?
灰谷
灰谷
…。(心配そうに見てる)
秋山眞子
ふぅ…。大丈夫。灰谷先生、新しい情報入ってる?
灰谷
灰谷
え、あっ。はい…!(走ってホワイトボードを取りに行く)
(ホワイトボードを見ながら)トリアージをして、緑タグは民間のバスで近隣の病院に搬送しているみたいですがまだ対応が間に合っていないです。
秋山眞子
黄タグと赤タグは?どのくらいいる?
灰谷
灰谷
まだ詳しい人数は入ってきてないです…。
ただ、現場はかなり混乱しているのでかなりの人数いるかと…。
秋山眞子
…わかった。ありがとう。
白石
白石
眞子ちゃん行ける…?
8分後にヘリ戻るみたいだけど…。
秋山眞子
大丈夫。さっきより落ち着いたし。
すみません、お騒がせしました。
橘
何度も言うが無理はするなよ。
藤川。秋山のことも頼むぞ。
藤川
藤川
はい。なんかあったらすぐ言えよ?
秋山眞子
うん、ごめんね。ありがと。
CS
ヘリ、そろそろ戻ってきます。
秋山眞子
藤川先生行こう。
藤川
藤川
おう…!
ーヘリポートでー
藍沢
藍沢
(患者を乗せて1度戻ってきた)
現場かなり混乱してる。赤タグもかなり出そうだ。
現場着いたら赤タグ患者の処置に入ってくれ。
(眞子を見て)…秋山お前、行くつもりか?
横峯
横峯
藍沢先生!この患者さんICUに運びますか?
冴島
冴島
頻脈になってきています。
藍沢
藍沢
悪い。横峯、冴島、先に行っててくれ。
秋山眞子
(藍沢を見て)…行かないの?ICU。
藍沢
藍沢
お前大丈夫なのか。現場は想像以上だぞ。
秋山眞子
そんな私情でいかない言い訳には行かない。
それに…
秋山眞子
もう私みたいな思いをする子供を出したくない…!
ううん。子供だけじゃない…。家族を亡くす悲しみを味わう人がいてほしくないの…。
だから私は行く。私が倒れたって構わない。命は何にも変えられないから。
秋山眞子
(胸のあたりを押さえて)それに…何かあっても助けてくれるでしょ…?藍沢先生が。(笑う)
早くICU行って?私ももう現場向かうから。
じゃあまた後でね。(ヘリに乗る)
藤川
藤川
藍沢。大丈夫だ。早く行け。
藍沢
藍沢
(頷く)頼むぞ。秋山、藤川。
秋山眞子
(頷く)そっちも頼むね。
ーヘリの中ー
秋山眞子
(胸を押さえて)…痛っ。
藤川
藤川
大丈夫?深呼吸して。
…なんか飲む?
秋山眞子
うん…。(深呼吸する)
ー現場が見えてくるー
秋山眞子
…!
秋山眞子
…似てる。あの時と…。(スクラブの胸のあたりを強く掴む)
怖い…。でもやらなきゃ…。(現場を見つめる)
藤川
藤川
…眞子ちゃん。そんだけ強い思いがあるなら大丈夫だよ。(同じように現場を見つめる)
ーヘリが現場に到着するー
救急隊員
重症患者こちらです!
秋山眞子
よしっ…。(走って行く)
秋山眞子
翔北救命センターの秋山です。わかりますか?
藤川
藤川
俺はこっち見る。緋山たちは黄タグ見てるらしい!
秋山眞子
わかった。
強がってはみたけどやっぱり怖い。でも思いは本物。私が味わったようなあの苦しさ、悲しさ、辛さはもう誰にも味わってほしくない。
いや、絶対にそんな思いさせない。

…あれ?さっきまでなくなってたのに…。
また嫌な予感がする。胸が痛い。息苦しい…。
いや、そんなこと考えてる場合じゃない。とにかく患者さん救わなきゃ。
でも、どうか気のせいでありますように…。
消防
先生!どこかからガソリンが漏れて気化している可能性があります!
気化したガソリンに引火すると爆発するかもしれません。
安全確認が取れるまでしばらくここから離れてください!
名取
名取
え…。爆発って…。
緋山
緋山
…!
わかりました…。雪村、輸液全開にだけしておいて。私は無線でみんなに連絡する。
雪村
雪村
…はい!
緋山
緋山
(無線で)消防から指示が出た。
ガソリンが気化してる可能性があって爆発が起きるかもしれない。危険だから安全確認取れるまでは現場を離れててほしいって。
藤川、眞子ちゃん聞こえてる?なるべく早く今いるとこ離れて。
藤川
藤川
…わかった。今ちょうど処置終わった。離れるよ。
秋山眞子
二次災害が起きるかもしれないってことだよね…。
…わかった。この患者さん挿管したら離れる…。あと3分ぐらいで…
ー爆発が起きるー
緋山
緋山
…!
藍沢
藍沢
…!
冴島
冴島
…!
橘
何があった…!
白石
白石
…確認します。
(無線で)緋山先生、名取先生、雪村さん、藤川先生、眞子ちゃん。みんな聞こえる?聞こえてたら返事して!
緋山
緋山
(無線で)緋山、名取、雪村は全員無事。
爆発とは遠いところにいたから。
爆発は多分、赤タグ患者の近くだと思う…。
藍沢
藍沢
…!
藤川
藤川
(無線で)…っ。俺はとりあえず無事だ。
ただ、眞子ちゃんがどこにいるのかわからない…。
多分、爆発したところのすぐそばで処置してたはずだ…。
横峯
横峯
そんな…!
白石
白石
(無線で)眞子ちゃん聞こえる?
聞こえてたら返事して…!眞子ちゃん…!
秋山眞子
…大丈夫?ケガ、してない…?
そう、よかった…。(笑う)
秋山眞子
…無線、壊れちゃってる。…痛っ。(胸を押さえる)
…!まだガソリン漏れてる…。お願い。藍沢先生…。助け…て…。

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