涼介side
体調が悪いあなたを診察してみるとストレスからくる熱だった。
解熱剤を打ってあなたを寝かせた。
カウンセリング入れよっかな……
伊野尾ちゃんに相談してみよ。
「ねぇ、伊野尾ちゃん。」
慧「ん?」
「あなたカウンセリング入れた方がいいかな?」
慧「いきなりの学校で精神的にも不安なんだろうね。俺は入れた方がいいと思うよ。その方が少しは心が和らぐと思うよ。」
「そうだよね。薮ちゃん連絡するか。」
prrrr……
宏「はい、薮です。」
「あっ、薮ちゃんごめん、山田。」
宏「山田か、どーした?」
「今日カウンセリング出来る?」
宏「午後からだったら出来るけど……なんかあった?」
「あなたがストレスで熱出しちゃって、」
宏「わかった、じゃあ12時にカウンセリングルーム来てくれる?」
「了解、ごめんね、ありがとう」
宏「いえいえ。」
予約も入れたし、あなたの様子見に行くか。
あなたが寝ているベッドへ行くと
あなた「ん……ん!」
あなたが汗をかきながら唸ってた。
「あなた?あなた?」
肩を叩いて起こす。
あなた「ん……」
「あなた?」
あなた「……せんせ」
「あなた、大丈夫?怖い夢見た?」
あなた「怖かった……」
「怖かったか、ごめんね」
あなた「ん〜涙」
「よしよし、あなた?どんな夢見たか先生教えてくれる?」
あなた「……ヒクッ」
「じゃあ教えたくなったら教えてね。」
……どんな夢見たんだろ。
このことは薮ちゃんにも言っとかないと。
「あなた?薮ちゃんの所行こっか。」
あなた「……怖い」
あれ?
「薮ちゃんだよ?」
あなた「……怖い」
カウンセリング初めてじゃないのに。
「薮ちゃんは優しい先生だよ?あなたに会いたいって。会いに行ってみよ?」
あなた「……せんせも」
「大丈夫、先生も一緒だよ」
あなた「……行く」
「じゃあ行こっか。」
不安そうなあなたの手を繋いでカウンセリングルームへ行った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。